母親と交際相手に有罪判決 「保護者の自覚なく、未熟」 横浜・やけど3歳女児放置

横浜地裁

 大やけどを負った3歳の長女を自宅に放置したとして、保護責任者遺棄の罪に問われた無職の母親(22)と、同居していた交際相手で無職の男(21)の両被告の判決公判が4日、横浜地裁であった。片山隆夫裁判官は「保護者としての自覚や責任感に欠け、未熟というほかない」として、いずれも懲役2年、執行猶予4年(ともに求刑懲役2年)を言い渡した。

 片山裁判官は判決理由で、「(両被告が)やけどを認知した後も、約3日間にわたって医師による診察を受けさせず、パチスロに興じるなどして放置していた」と指摘。その間に長女が菌血症を発症し、生命に重篤な危険を生じさせたとして「犯行態様は悪質で、結果は重大だ」と述べた。

 治療費への懸念から病院へ連れていかず、インターネットの情報を基に患部に薬を塗り食品ラップを巻いて済ませた行為には、「熱傷の範囲と程度に照らして、適切な措置とは到底言えない」と非難した。

 一方で、両被告が事実を認めて反省を深め、自立する意欲があるとして、社会内での更生が妥当とした。

 判決などによると、両被告は共謀し、長女が全身やけどを負った3月1日以降、病院に連れて行くなど必要な措置をとらず横浜市鶴見区の自宅に同4日まで放置した。同日夕に長女の兄(5)が1人で自宅近くの事務所を訪ね、「ママがいない」などと話したため発覚した。

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