「畳が浮いた」「ドア開かない」横浜雷雨、住民「想定外」

床上まで浸水した自宅の後片付けに追われる住民=4日午後1時半ごろ、横浜市港南区

 3日の激しい雷雨は横浜市内の各地に爪痕を残した。突然の悪天候に襲われた住民らは「想定外」と驚きの声を上げた。

 同市港南区日野8丁目のマンションでは、1階の共用部分が浸水した。1階の親子3人は3日夜、親交のある3階の主婦(67)宅に避難。主婦は「一面、海のような状態」を逃れた親子と身を寄せ合った。

 同区日野中央2丁目の会社員、薮内和子さん(65)は同日午後8時ごろ、3階建て住宅2階の居間で「ボコボコ、ボコボコ」という音を聞いた。同階にある台所の流し場で水が逆流しているようだった。

 横なぐりの雨。浸水被害を心配し階段を下りて玄関に立つと、水位は既に床上に達していた。「靴や客間の畳が浮かんでいた。頭が真っ白になった」。屋外に逃げ出そうとドアを押したが、水圧で開かない。2階に駆け上がると、窓越しに見える日野川の流れが勢いを増していた。

 一方、3日夜に土砂が崩落した同市金沢区六浦町の池子隧道(ずいどう)の出入り口付近では、復旧作業が進められた。市金沢土木事務所は六浦バイパス南側交差点(同区)から隧道の逗子市側出入り口までの約450メートルを通行止め。復旧のめどは立っていないという。

 逗子市側出入り口近くで自動車整備・販売業を営む「池子自動車」の七海翔太さん(36)は「遠回りしなければならず、住民にはとても不便。少しでも早く復旧してほしい」と話した。

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