九州北部大雨、佐賀で流出 川棚の業者 廃油受け入れ

佐賀県大町町から運び込まれた廃油(ハラサンギョウ提供)

 九州北部の記録的大雨で佐賀の鉄工所から流出した廃油を、東彼川棚町三越郷の廃棄物処理業、ハラサンギョウが受け入れている。
 県廃棄物対策課によると、大雨による冠水で佐賀県大町町の鉄工所から大量の油が流出。鉄工所では対応できず、国土交通省九州地方整備局武雄河川事務所も協力して回収作業に当たっている。佐賀県内の処理業者だけでは回収した廃油や吸着マットの処理が追いつかないため、同事務所が県に、本県の処理業者が受け入れられないか相談した。
 主に汚泥や食品の残りかすを扱うハラサンギョウは廃油の処理認可を受けた県内で数少ない業者の一つ。8月29日に現場から同社に廃油受け入れの打診があり、県に報告した。県外の産廃物を受け入れる場合、通常は県に書類を提出し、審査に時間を要するが、県が口頭の協議に手続きを簡略化して対応。同社で3日までに計約20トンの廃油を受け入れた。
 同社は、今後も焼却炉の状況を見ながら要請があれば受け入れる考え。新立邦男営業部長は「大規模な自然災害では官民一体の対応が重要と痛感した。スピーディーな受け入れができてよかった」と話した。

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