川崎市立病院の1歳児死亡、原告の請求棄却 「敗血症発症していたとは認められない」

 川崎市立川崎病院(川崎区)で2014年5月、入院中の男児=当時(1)=が死亡したのは病院の不適切な措置が原因として、横浜市内に住む両親が川崎市に5400万円余りの損害賠償を求めた訴訟の判決で、横浜地裁川崎支部(飯塚宏裁判長)は5日、原告側の請求を棄却した。

 判決によると、男児は嘔吐(おうと)や下痢を繰り返すなどしたため同病院に入院。9日後に肺水腫による心不全を直接の原因に死亡した。

 両親側は、肺水腫を引き起こした基礎疾患が敗血症だったと主張。病院側が敗血症の適切な治療を施さなかったため、男児が死に至ったと訴えていた。

 飯塚裁判長は判決理由で、当時の男児の体温や脈拍数、呼吸数、白血球などのバイタルサインなどを基に、「男児が敗血症を発症していたとは認められない」と判断。男児が敗血症にかかっていたことを前提とする両親側の主張を退けた。

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