【MLB】年俸22.5億円の“不良債権化”外野手は「制限ないトレーニングに…」 ヤ軍負傷者の現状

ヤンキースのジャコビー・エルズベリー【写真:Getty Images】

負傷者続出も圧倒的強さ見せるヤンキース、エルズベリーは「9月には野球に直接関連した活動を再開」

 今季92勝49敗の勝率.652を誇り、ア・リーグ東地区首位を独走するヤンキース。前半戦から負傷者が続出しながら、圧倒的な強さを見せてきた。エース右腕のルイス・セベリーノ投手、大砲のジャンカルロ・スタントン外野手がプレーオフ前に戻ってくると見られている一方、今季中の復帰が絶望視されている選手もいる。“不良債権化”が指摘されているジャコビー・エルズベリー外野手もその一人で、MLB公式サイトは「エルズベリーはウエイトルームでの制限がないトレーニングへと移行しようとしている段階」と伝えている。

 35歳のエルズベリーはレッドソックス時代の2011年に打率.321、212安打、32本塁打、39盗塁と躍動し、ア・リーグMVPの投票ではバーランダーに次いで2位に入った。さらに、2013年には打率.298、9本塁打でリーグトップの52盗塁を記録し、不動の1番打者としてワールドシリーズ制覇に大きく貢献。同年オフにFAとなり、7年総額1億5300万ドル(約163億円)の超大型契約でライバルのヤンキースへ移籍した。

 ただ、その後は負傷もあって徐々に成績を落とし、昨季はメジャー出場ゼロ。年俸2114万ドル(約22億5000万円)の今季は左臀部の手術の影響で開幕から負傷者リスト(IL)入りし、いまだに復帰できていない。そして、このままシーズンを終えそうだ。

 MLB公式サイトが「故障者リスト入り中のヤンキース選手全員の復帰予定」とのタイトルで掲載した特集の中には当然、エルズベリーも登場。復帰見込みは「2020年」とされている。記事では「度重なる怪我のため、エルズベリーは2017年の10月以降メジャーリーグでプレーしていない。最も知られているものとして、昨年8月に受けた左臀部の手術だ」と説明。そして、「エルズベリーはウェイトルームでの制限が無いトレーニングへと移行しようとしている段階で、9月には野球に直接関連した活動を再開できると、ブーン監督は語った。彼は今季プレーすることは予想されていないけれどもだ」と皮肉交じりに伝えている。

大谷と新人王を争ったアンドゥハーも今季絶望「来春キャンプには間に合うかも」

 また昨季、大谷翔平投手(エンゼルス)と新人王を争ったミゲル・アンドゥハー内野手も今季は12試合に出場したのみ。MLB公式サイトは、こちらも復帰見込みを「2020年」として、5月20日(同21日)に受けた右肩の手術により、残りのシーズン全休となったことに言及。さらに、今月9日(同10日)に投球練習の再開が許可されて、オフの間もトレーニングを続けていくため「(来年の)スプリングトレーニングには間に合うことになるかもしれない」と予想している。

 一方で、予想以上に離脱が長引いているセベリーノはプレーオフに間に合う見込み。記事では、右肩の炎症とグレード2の右広背筋の張りでシーズンのほとんどを棒に振っているとした上で、9月1日(同2日)に3Aでリハビリ登板したことを紹介し「セベリーノの次の登板予定は2Aトレントンでの9月6日(同7日)の試合となっている」としている。復帰見込みは「9月」となっており、階段を上がっている段階だ。

 さらに、6月25日(同26日)の試合で三塁にヘッドスライディングした際に右膝の後十字靱帯を損傷したスタントンは、今月3日(同4日)にヤンキースタジアムでデリン・ベタンセスと実戦形式で対戦し、その後にリハビリの次の段階に移るためにマイナー施設のあるタンパに移動したという。こちらは、本人がプレーオフの前に2週間ほど打席に立つと語っているといい、復帰見込みは「9月後半」となっている。

 主力に負傷者が続出しながら、2009年以来の世界一へ突き進むヤンキース。エルズベリーやアンドゥハーは間に合わないようだが、プレーオフで絶大な勝負強さを発揮する田中将大投手らの活躍で頂点まで駆け上がりたいところだ。(Full-Count編集部)

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