【京急脱線】運転士「非常ブレーキかけた」 障害検知し、信号作動

トラックと衝突し傾いた車両=5日午後1時ごろ、横浜市神奈川区

 京急電鉄によると、事故があった踏切には、踏切内の障害物を検知すると、線路脇の信号機を赤色に発光させて運転士に異常を知らせる装置が設置されている。踏切と神奈川新町駅間には三つの信号機があり、通常は踏切から少なくとも600メートル離れた地点から発光を視認できる。手動でブレーキをかけて減速すれば、時速120キロの通常走行で20数秒かけ、踏切手前で確実に停止できる仕組みだった。

 事故当時はいずれの信号機も正常に作動し、けがを負った男性運転士(28)も「信号機の発光を確認し、非常ブレーキをかけた」と病院搬送前に説明していたという。これに前後し、同様に信号機を作動させる踏切の非常停止ボタンも押されていた。京急は事故車両の運転データを検証し、ブレーキをかけた地点を確認するなど事故原因を調べる。運転士はこの日朝から勤務し、体調に異常はなかったという。

 運輸営業部の小林秀行部長らは「長時間運転を見合わせてご迷惑をおかけし、申し訳ありません」と陳謝した。脱線した3両のうち、先頭車両は45度傾いており、クレーンでつり上げるなどして撤去し、6日夕の帰宅ラッシュ時までの復旧を目指す。

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