大内塗の新商品、伝統工芸品次々 山口県立大デザイン研

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大内人形椀など新商品の出来を確かめる山口教授(右)と金子さん

 山口の伝統工芸に新たな息吹を吹き込もうと、昨年5月に設立された山口市の山口県立大地域デザイン研究所は、開発した大内塗の新商品に受注が相次ぐなど順調な滑り出しをみせる。学生が伝統技術に触れる機会も設け、卒業後に職人を目指す学生も出ている。

 研究所にはデザインや服飾が専門の教授6人が所属。第1弾として発表した「大内人形マトリョーシカ」は地域の伝統工芸とロシアの民芸品の意外なコラボが話題を呼び、販売する大内塗漆器振興協同組合には県内外から約10件の注文が入った。

 7月には大内人形の顔を描いた「大内人形椀(わん)」と守護大名大内氏の家紋「大内菱(びし)」をイメージした多面体の器を作った。所長の山口光国際文化学部教授(46)は「日常生活で使える伝統工芸品がコンセプト。持ちやすさなど実用性も重視した」と説明する。

 研究所の授業では伝統技術の継承者の育成に力を入れ、学生が商品のアイデアを出し合い実技実習。山口教授のゼミ外からの参加もあり、国際文化学部4年金子祐樹さん(24)は1年前から市内の工房で修業し大内人形椀の制作を手伝った。卒業後は木工職人を目指す。「伝統の技で新しい作品を作ることにわくわくしている」と笑顔で話した。

 山口教授は「今後は大内塗に続き、防府の藍染めなど県全域の伝統工芸へと対象を広げていきたい。若者が地元に根付くきっかけにもなれば」と話している。(佐藤憲佑)