韓国人観光客減は「災害」 長崎県が相談窓口設置へ

 日韓関係が悪化し対馬市を訪れる韓国人観光客が激減していることについて、長崎県は5日、「災害に準じる」として資金繰りに苦しむ中小企業の相談窓口を近く設置する考えを示した。同日の県議会離島・半島地域振興特別委員会で、坂本智徳委員(自民)の質問に、前川謙介企画振興部政策監が答えた。

 長崎県などによると、日本による対韓輸出規制強化以降、団体を中心に韓国人観光客が減少。対馬市内の宿泊、観光体験、飲食、交通業者などが直接的な打撃を受け、7月で約3億円、8月は約7億円の消費低下が起きていると推計している。

 坂本委員は「対馬に特化した補正予算を考えられないか」と質問。前川政策監は「(韓国人観光客の減少は)災害に準じるような状況。既定の予算の範囲内といった予断を持たず、必要な予算、財源確保を検討する」と述べた。

 長崎県経営支援課は売り上げが減った中小企業対策として、融資制度「緊急資金繰り支援資金(環境変化対策)」の取り扱いを開始する方針を示した。同課は「来週にも県、商工団体、金融機関などに相談窓口を設置し、事業者の負担軽減に関して必要な対策を検討したい」とした。

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