「セミオトコ」檀ふみにとっての山田涼介とは?「いい意味で非現実的な感じですよね」

「セミオトコ」檀ふみにとっての山田涼介とは?「いい意味で非現実的な感じですよね」

突然目の前に現れた美しきセミの王子様・セミオ(山田涼介)と暮らすことになった、さえないアラサー女子・大川由香(木南晴夏)。2人の7日間の純愛を国民的脚本家・岡田惠和さんが大人のおとぎ話として描く、テレビ朝日の金曜ナイトドラマ「セミオトコ」。今回は、そんなセミオたちが暮らす「うつせみ荘」の大家姉妹の姉で、何かとせっかちな庄野くぎこを演じる檀ふみさんにインタビューさせていただきました。チームワーク抜群の現場で起きた撮影秘話や、主演の山田さんについて、また、最終回に向けての見どころなど、たくさんお答えいただきました!

──まずはこれまで「セミオトコ」に出演されてきた感想をお聞かせください。

「くぎこのセリフに『セミオくんが来てから、なんか楽しい~!』というのがあったんですけど、本当に楽しいなという感じです。また、チームワークがとても良いので、ついつい仕事そっちのけで話し込んでしまうんです。撮影スタッフの方々には申し訳ない気持ちですが…(笑)」

──主にどんな会話をしていますか? また、現場でのムードメーカーを教えてください。

「本当にいろんなお話をしています。阿川(佐和子)さんとかやつい(いちろう)さんを中心に、皆さんそれぞれ面白いお話をお持ちなので。どこでもかしこでも楽しいお話が飛び交っている現場ですね」

──本日9月6日に第7話が放送になりますが、現場での撮影秘話はありますか?

「エンディングで、Hey! Say! JUMPのみんなが歌うドラマの主題歌『ファンファーレ!』に合わせて盆踊りを踊ったんですが、やっぱりそれぞれ得意不得意がありまして。例えば山田さんなんかは簡単に覚えちゃうでしょ? やついさんは苦手そうだなと思っていたら、意外にも『僕こういうの1回で覚えちゃうんです』ってすぐに踊れていたり」

──さすがの山田さんです! やついさんも多才なんですね。

「私なんかは心配だから、いただいた動画を見ながら何時間も練習したんです。それでもよく分からなくて…。(今田)美桜ちゃんが『私、ダンス、ダメなんです』っておっしゃっていたから、ちょっぴり安心していたのですが、すごくかわいく踊っていらして。『あなただけを頼りにしていたのに…!』と少なからず裏切られた気持ちでした(笑)」

──山田さんの印象についてもお聞かせください。

「素晴らしいですよね。世の中の皆さんが山田さんにどのようなイメージを持たれているのか知らないけれど、私はもう完全にセミオだと思っています。透明感もすごいですし、まさにセミオを具現化したようなかわいさ。浮き世離れした、いい意味で非現実的な感じですよね」

──阿川さんとのコンビも見どころがありますよね。

「2人で1人なんですよ、これは。セリフなんか見ても、2人で一つのことを言ってるんだな、と途中から諦め始めました(笑)」

──全くかみ合ってないようで、それが逆に本当はかみ合っているような感じがしますよね。

「とにかく私はマイペースなので、普段は動きがゆっくりしているんです。逆に阿川さんは機敏にチャカチャカした性格なのに、のんびりしたキャラクターを演じていて。脚本の方が『檀さんにのんびり、阿川さんにせっかちっていう同じ性格を与えても、なれ合いみたいになってしまう』と、緊張感を持たせるためにあえて逆にしたとのことでして」

──なるほど、そういう意図があったんですね。

「私がちょっと何か申し上げると、阿川さんが『監督が何人もいるんだよね!』なんてムッとされるんですよ、だからあんまり刺激しない方がいいなって…(笑)」

──仲良くやられているんですね(笑)。

「仲悪く…という感じですかね(笑)。側目(はため)にはどうなのか分からないんですけど、ガチャガチャやり合っていると『仲良しなんですね~』って山田さんにも言われたり。でも、そうじゃないと思いますよ(笑)」

──圧倒的な信頼関係ですね(笑)。7日間というセミの命を通じて送る物語ですが、伝えたいメッセージはなんだと思いますか?

「5話の撮影をしながら、6話を読んだのかな? そしたらボロボロ泣いてしまって。目を真っ赤にしながらプロデューサーのところに『良かったです』って言いにいきました。本を読みながら大笑いしたり、胸を打たれたり。全てがメッセージなんです。生きることがいとおしい、人って、命っていとおしいよね、愛するって素晴らしいっていうのが端々にあって。おとぎ話ではあるんですけど、一つ一つのセリフが深くて、何げなくて、いとおしいです。このドラマに出合えたことに感謝しています」

──檀さんは最後にセミオくんにはどうなってほしいと考えていますか?

「セミオくんはやっぱり7日間しか生きられないですからね。セミオくんの存在がずっとみんなの心に残って、みんなが幸せになっていくというのが一番いいんだれども。今までに出てきたセリフをヒントに、どう終わらせたらいいのかをみんなで考えたりもしていて。“実は『うつせみ荘』の住人はみんな昆虫だった”なんてどう?とか(笑)」

──それはそれで見てみたい気もします(笑)。

「これもプロデューサーと話していたんですが、『人魚姫』みたいに、最後に救いというか。セミオくんが大きな意味で幸せになれるといいですよね。人魚姫は風になって光になって、人の笑顔を見ると一つずつ天国への階段を登っていくので。セミオくんもそういう意味で幸せになって、みんなを幸せにしてくれたらいいな、と思いますよね。あとはとにかく、おかゆさん(木南)が幸せになれたらいいですよね」

──では、最後に第7話と最終話に向けての見どころをお願いします。

「それはセミオくんがしゃべり始めるところでしょう! 5話では、それぞれがいろんな思いを吐露するシーンがあって、みんな長ゼリフに苦しんでいたんですが、セミオだけ『ね!』とか『あ!』とか、まとまったセリフがなかったので、「ずるい!」って言われていたんです。7話ではしゃべり出しますよ。それがまた素晴らしいことを言うんですよ! 胸がしんしんする感じです。ぜひ、お楽しみにしてください」

──ありがとうございました!

【プロフィール】


檀ふみ(だん ふみ)
映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」「山桜」「轢き逃げ」、ドラマ「日本の面影」「藏」「花燃ゆ」ほか、数多くの作品に出演する一方で、「N響アワー」「新日曜美術館」の司会や「日めくり万葉集」(すべてNHK)の語りなども務め、音楽や美術、古典にも力を注ぐなど、幅広く活躍。近年ではエッセーも好評で、「ああ言えばこう食う」は第15回講談社エッセイ賞を受賞。現在「N響ザ・レジェンド」(NHK FM)に出演中。

【番組情報】


「セミオトコ」
テレビ朝日系
金曜 午後11:15~深夜0:15
(地域によって放送時間が異なります)

テレビ朝日担当 I・S
撮影/中越春樹

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