シーサイドライン 3カ月ぶり完全自動運転 本数も回復、通勤客「よかった」

自動運転が再開された横浜シーサイドラインの車内

 横浜市の新交通システム「金沢シーサイドライン」が6日、逆走事故から3カ月ぶりに、無人の完全自動運転を再開した。ダイヤも通常の98%程度まで回復。万が一の際に列車を非常停止させられるよう、新杉田、金沢八景両駅に約1カ月間、保安要員を配置する。

 事故が起きた新杉田駅では同日午前、列車が到着するたび、大勢の通勤客らが乗り降りした。

 通勤で利用している40代の女性会社員は「事故後は早めに自宅を出るようにしていた。無人運転が再開されてよかった」とほっとした表情で話した。ただ職員に「安全第一でお願いしたい」と声を掛ける人もいた。

 運行会社「横浜シーサイドライン」は事故3日後、有人の手動運転で運行を再開。進行方向の回路に異常が起きた場合は発車できない仕組みなどを再発防止策として取り入れ、8月31日始発からは運転席に保安要員を配置した上で自動運転を再開した。その後2回の「列車検査」でも問題がないことを確認、完全自動運転を再開した。

 同社業務課の鈴木龍実課長は「運行本数の減少でご迷惑を掛けたが、ほぼ解消され、利便性が元に戻ったと思う。安全に関する取り組みは、これで終わりではないと考えている」と説明した。

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