「布団に放置、妻にも隠す」 3カ月長男に暴行の父親有罪

横浜地裁

 生後3カ月の長男を放り投げて頭部に重傷を負わせたとして、傷害の罪に問われた横浜市西区、会社員の男(33)の判決公判が6日、横浜地裁であった。梅本友美裁判官は「長男には後遺症が残る可能性もあり、結果は相当重い」として、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。

 梅本裁判官は判決理由で、「一刻も早く長男を泣きやませたいという自己の都合を優先させた行動」と非難。「犯行後も長男を病院に連れて行かずに布団に寝かせて放置し、妻に事実を隠して治療の機会を遅らせるなど犯行後の情状も悪い」と述べた。

 一方で、「継続的に暴力を振るうような児童虐待事例とは異なる」として、社会内で更生の機会を与えるのが相当とした。

 判決後、梅本裁判官は「親にあるまじき行為で、未熟な父親と言わざるを得ない。一生涯をかけて、償う立場にあることを自覚してください」と説諭した。

 判決によると、被告は2月12日午前8時半~同午後1時ごろ、自宅アパートで、長男の体をつかんで放り投げて床に打ちつけさせるなどし、急性硬膜下血腫などの重傷を負わせた。

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