bayfm「Song of Japan」 しまみわの昭和音楽談義

番組前に快く対談してくださったしまみわのお二人。次から次へと飛び出る話題はまさに“立て板に水”。

DJ・島村幸男と田中美和子の通称“しまみわ”コンビが、毎週木曜日深夜1時30分から生放送でお届けしている、昭和歌謡エンタテインメント「Song of Japan」(以下、ソンジャポ)。週替わりのテーマをもとに“フル”で紹介する昭和の名曲と、“夫婦漫才”とも称される抱腹絶倒のトークが、あらゆる世代のリスナーに愛されています。

そこで本稿では、しまみわの2人が、幅広い世代を魅了してやまない昭和歌謡の魅力と、思い出の一曲について語り合う……はずだったのですが、話は大幅に脱線(予想通り?)。深夜番組論、DJ論、なんでもありの対談、もとい夫婦漫才をお楽しみください。

名曲は時代を越えて、私たちの琴線に触れる

番組でもお二人の“夫婦漫才”とともに、週ごとのテーマに沿った昭和歌謡を腕利きのリスナーの選曲とともに楽しむことができる。

みわ ミュージシャンの島ちゃんはこれまでどういう音楽を聴いてたの?

しま アメリカンポップス。KISS、JOURNEYが好きだったんだ。かぐや姫、風みたいなフォークもよく聴いてたよ。美和子も音楽好きだよな。ユーミンなんてほぼ全部歌えるでしょ?

みわ そうね。(松田)聖子ちゃんも(中森)明菜ちゃんも、松原みきも好きだよ。

しま ゲストミュージシャンの前でも平気でモノマネするよな。ダチョウ倶楽部みたいに「やるなよ、絶対にやるなよ」って言われると、やっちゃうんだ。それでゲストミュージシャンが困惑しちゃうの。「どうすればいいんですか、この空気」って(笑)。

みわ だって島ちゃんに「やり切れ!」って教えられたから(笑)。

しま しかも最近、美和子のモノマネ、エスカレートしてるよな。この顔で菊池桃子とか薬師丸ひろ子とかやっちゃうんだから。しかもドヤ顔で。ホント、鋼のハートの持ち主だよ。

みわ 全然平気! 本人のこと思い浮かべないと出てこないから。

しま でも、壊れた美和子を回収するのが僕の役どころだからね。これがコンビってもんでしょう。

みわ 頼りにしてます(笑)。ところで、島ちゃんの思い出の一曲は?

しま イルカの「いつか冷たい雨が」。若い頃、コンサートで聴いたんだけど、輪廻転生をイメージさせる歌詞が印象的で。僕の原点の曲だと思う。美和子は?

みわ 私は松原みきの「真夜中のドア~Stay With Me」。小さい頃、母が台所でラジオを聴きながら夕食の準備をしているときに流れてくると口ずさんでいた曲で、大好き!

しま この番組のDJになって改めて昭和歌謡を聴いてみると、そのクオリティの高さに驚くばかり。ギターの入れ方、リズムの刻み方など、新しい発見がたくさんあるんだよ。

みわ しかも昭和歌謡って飽きが来ないよね。当時の情景が、音楽によって運ばれてくるし。

しま でもこの番組、実は若いリスナーも多いんだ。#songofjapanがTwitterのトレンド入りしてるから聴いてみたといってくれる人、多いし。これってすごいことだよ。

みわ 「昭和歌謡は詳しくないけど、今かかっている山口百恵の曲、いいですね」とかツイートしてくれるのが嬉しくて。いい歌はいつの時代に聴いても、琴線に触れるよね。

“フル”に流れる名曲と、夫婦漫才を楽しんで

インタビュー中も番組と変わらないテンションで様々語ってくださったお二人。絶妙なテンション感と話術でリスナーの心をつかんでいる。

しま この番組のゲストって、村上“ポンタ”秀一、斉藤ノヴ、角松敏生、因幡晃、鈴木聖美など、そうそうたるメンバーだよね。このメンバーだけで、超豪華なアルバム作れちゃう。

みわ すごいよね。こういうときって「あっ、ソンジャポって音楽番組だったんだ」って思い出す(笑)。

しま 純粋な音楽番組というより、音楽バラエティだからね。“フル”に流れる昭和の名曲を聴きながら、僕たちの夫婦漫才を楽しめる、と(笑)。

みわ そういえば、島ちゃんと組んで番組やるの、20年振りだよね。お互い色んな番組やってきたけど、深夜番組は初なんだよね。

しま そうだね。この番組って当初は静かに音楽を届ける番組、にするはずだったんだよ。すぐになくなっちゃったけど、「日本の歌、日本の心」みたいなコーナーもあったからね。自然と軌道修正していったというか、もう全然内容違うよね(笑)。深夜番組だから、ちょっと毒っ気があるぐらいの方がいいんだろうね。

みわ 同じ時間帯にやってるニッポン放送の「オールナイトニッポン」を意識したこともあったけど、ソンジャポならではの独自路線を試行錯誤しながら確立していったよね。静かさを求めるなら、NHKの「ラジオ深夜便」があるし。

しま ラジオ深夜便とはたまに流す曲が被ることあるんだよ。

みわ そういう情報、リスナーがリアルタイムで教えてくれるからね。「今、朱里エイコさんの『北国行きへ』がかかっていますが、これはラジオ深夜便ではなくてbayfmですよ」って#songofjapanを付けてtweetしてくれるから、私たちも「あっ! そうなんだ」って。盛り上がるよね。

botにもリプライしちゃうのはご愛敬

©bayfm

しま 美和子のリスナーとのTwitterでのやりとりも、この番組の名物。すごいと思うよ。#SongofJapan が付いたほぼすべてのtweetに反応してるからね。番組が始まって4年くらい経つけど、tweetの総数25,000超えたんじゃないの?

みわ そうね。実は私、この番組が始まるまで、SNSやったことがなかったの。けど、番組のアカウントを立ち上げるからやらないとって言われて、渋々始めたの。ところが、いざやってみると楽しくて、リスナーとのやりとりにすっかりはまっちゃったんだ。

しま 美和子がリスナーと積極的にやりとりするおかげで、「#SongofJapan」が全国に広がってるんだよ。Twitterのトレンド入りすることも、今では珍しくないし。けど、botにリプライするのはどうかと思う(笑)。

みわ みんなにバカバカって言われるけど、わかんないんだもん。「はじめまして。いつも番組を聴いてくださってありがとう」って書いたらbotだったこともあるし(笑)。

しま あと、Twitterやるのはいいんだけど、番組にも集中してくれよ。CMに行くのか、曲紹介なのか、たまにわかってないことあるだろ?

みわ (番組に)集中してますから! Twitterしてるのは、音楽かけてる時間だけですから。

しま CMに行くギリギリまでTwitterやってて、僕がいつも「ほらほら、CMだよ」って教えてるんだから。こんなラジオDJいないよ(笑)。ところで、ハッシュタグをやたらテンション高く言うの、なんでなの?

みわ リスナーにハッシュタグをつけてtweetすることの重要性をわかってもらいたくて。それに、普通のテンションで言ってもつまらないでしょ。おハッシュタ~グ!

しまみわが感じる、ラジオの醍醐味

bayfmでは平日夕方のワイド番組「The BAY☆LINE」街角DJとして、暖かな人柄がにじみ出るトークが魅力の“しまちゃん”こと島村幸男さん。「Song of Japan」では音楽人としての素養を活かし、昭和歌謡のバックグラウンドや、当時の世相と絡めた音楽談義など、「The BAY☆LINE」では見せない一面も聴くことができる。©bayfm

東京ディズニーランド6代目アンバサダーをきっかけにラジオの世界に入った“お美和子様”こと田中美和子さん。bayfmでは「DISNEY WEEKEND BREAK[」やしまちゃんとの「TOKYO BAY MORNING」でもおなじみ。「Song of Japan」ではその明るいキャラクターで深夜リスナーを元気づけている。©bayfm

しま ソンジャポの生放送には、美和子との会話のキャッチボールを自分なりにシミュレーションして臨むんだけど、それがスパンとはまったときは本当に気持ちよくて。さらに、そこにリスナーからのリアクションがあると、なおさらだよね。外すこともあるんだけど、それがまたおもしろいんだ。

みわ ラジオって想像力のメディアなんだよね。私もリスナーも、相手のことを知らないから、想像する楽しみが生まれる。その上でのやりとりが楽しくて。

しま でもね、今年でDJになって大分経つけど、いまだに勉強続きだよ。バンド(ジャドーズ)※やってた頃からラジオのレギュラー番組はあったんだけど、リスナーからの葉書を読むのが苦手で。当時はラジオで話すの、怖かったんだ。それで、バンドを辞めてbayfmから声をかけてもらったときは、僕で大丈夫かなって思った。だから一生懸命勉強したし、読む練習もした。今は読むこと自体には慣れたけど、それでもやっぱりラジオは怖いよ。でも、当時感じていた怖さを今も持ち続けているからこそ、長い間DJを続けていられるんだと思う。

みわ ラジオって純粋な話芸なんだよね。テレビは視覚的に伝わってくるものが大きいけど、ラジオは言葉だけで伝えなきゃいけないから、人間性が磨かれるような気がする。ウソがつけないというか、いい人ぶったりしても、必ずどこかに出ちゃうんだよね。それが怖くて。若い頃は自分を演出したいって考えたこともあったけど、あるとき、素の自分を磨いた方がいいんじゃないかって思ったの。

しま 20年間、美和子とやってきたけど、こんな話はじめて聞いたよ。

みわ 意外とまじめなのよ(笑)。私も長くラジオに携わってきて、DJ歴31年になるけど、ありがたいことに、レギュラーが途絶えたことがなくて。この仕事に正解はないんだけど、人間力を常に磨き続けていかないといけないし、勉強し続けていきたいと思ってる。

しま わかる。この番組にゲストを呼ぶときも、その人のことを徹底的に調べないとお迎えできないもん。ほかにも、bayfmの夏の恒例イベント・サマーキャンペーンでスタジオの外に出てレポートをするときも、スタッフに渡された資料だけで完結するレポートなんて、絶対にありえないと思ってる。自分で調べて、直接見て、食べて、はじめて伝えられるんだ。

みわ けど、そういうのをやらなくてもできる、天才肌の人もいるんだよね。bayfmの人気DJ・きゃんひとみさんみたいに。あと私、人のことが好きだからDJを続けられるのかも。人に会って話すの、大好きだし。

しま それもはじめて聞いた。

みわ 30年前からプロフィールに書いてるってば(笑)。

※島村幸男はジャドーズの元ドラマー。1994年に脱退している。

構成:柴山高宏(スリーライト)

そんな“ソンジャポ”特番が決定!!「bayfm 30th anniversary special SONG OF JAPAN 〜和心をあなたに〜」

「Song of Japan」が敬老の日に特別番組をお届けします。©bayfm

昭和時代を彩った数々の名曲、歌謡曲など中心に、「音」の持つ心、パワーをお届けしている歌謡総合エンタテイメント番組、「SONG OF JAPAN」が記念すべき令和最初の”敬愛し長寿を祝う”敬老の日、9/16(月祝)に、「和・心」をテーマとしたスペシャルプログラムをお届け!新旧歌謡曲、珠玉の和モノサウンドのご紹介はもちろん、歌謡系アーティストによるスペシャルトーク&スタジオライブ、ゲスト音楽評論家やプロデューサーによる珠玉の和モノサウンド解説&セレクションなど「和の心」がたっぷり詰まった6時間です!

<和心ソングリクエスト大募集> あなたが大切にしている、また次の世代にも聴き継がれて欲しいと思う歌謡曲、和モノナンバーをエピソードと共に大募集します。詳しくはこちら

Song of Japan

放送局:bayfm78

放送日時:毎週水曜 25時30分~29時00分

出演者:島村幸男、田中美和子

※放送情報は変更となる場合があります。

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