高齢者への虐待 過去最多に 家族からの被害増 長崎

虐待防止について意見を交わす委員=県庁

 長崎県は6日、県内の高齢者に対する2018年度の虐待件数を発表。家族らによる虐待件数は182件(前年度比32件増)、施設従事者らによる虐待件数は15件(同2件減)だった。相談・通報件数は家族らが278件(同23件増)、施設従事者らが29件(同8件増)で、いずれも過去最多。県は「虐待を未然に防ぐため、研修の充実、在宅介護者へのケアに力を入れていく」としている。
 長崎県庁で同日開いた県高齢者虐待防止・身体拘束ゼロ作戦推進会議(委員長・木下裕久長崎大学病院講師)で明らかにした。2006年4月施行の高齢者虐待防止法に基づき、毎年調査している。
 家族などによる虐待の内訳(複数回答)は身体的虐待が122人、介護・世話の放棄、放任が52人、心理的虐待69人など。虐待したのは息子が71人と最も多く、夫が47人、娘が38人、妻が16人だった。被害者の約5割が、虐待者と2人暮らしだった。施設従事者などによる虐待の内訳(同)は身体的虐待が4人、心理的虐待が4人、窃盗などの経済的虐待が3人など。性的虐待は1人で、90代女性が被害に遭った。

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