メクル第395号 登校拒否・不登校やひきこもりについて考える 全国のつどいin長崎

「小学生の登校拒否・不登校」をテーマにした分科会で語り合う参加者=佐世保市鹿子前町、九十九島ベイサイドホテル&リゾートフラッグス

 登校拒否(きょひ)・不登校やひきこもりについて考える「第24回全国のつどいin長崎」が8月31日と9月1日、佐世保(させぼ)市内のホテルで開かれました。地元のNPO法人「フリースペースふきのとう」などでつくる実行委員会が主催(しゅさい)。全国から約400人が参加し、さまざまなテーマで意見が交わされました。このつどいは、独(ひと)りぼっちで悩(なや)む人をなくすことが目的です。分科会の一つ「小学生の登校拒否・不登校」の中で、不登校児童の保護(ほご)者が語った経験(けいけん)や思い、専門家(せんもんか)のメッセージなどを紹介(しょうかい)します。

 分科会は同じテーマで2日間にわたって開かれました。初日の分科会では、不登校の子どもをもつ親や小学校教諭(きょうゆ)、不登校問題に詳(くわ)しい神戸(こうべ)大学名誉教授(めいよきょうじゅ)の広木克行(ひろきかつゆき)さん(74)ら9人が参加しました。

◎ありのままで

 広島県の公立小学校の女性(じょせい)教諭(47)は、次女が小学5年のときに不登校になり「まさか自分の子がなるなんて」とショックを受けました。全国のつどいに参加し、「子どもをありのまま認(みと)め、信じて、任(まか)せて、待つ」ことが大事だと学んだそうです。不登校は高校3年まで続きました。
 今、20歳(さい)になった次女は、将来(しょうらい)やりたいことが見つかり、親元を離(はな)れて専門(せんもん)学校に通っているそうです。女性教諭は「子どもは悪態(あくたい)もつくが、衣食住でつながっている。成長を支(ささ)えることが大事」と語りました。

◎「大丈夫(だいじょうぶ)やで」

 大阪(おおさか)市の須田和子(すだかずこ)さん(51)は長女とのつらい経験(けいけん)を打ち明けました。小学3年の秋、学芸会に行くと姿(すがた)がなかったことから、長女に問い詰(つ)めたところ、初めて不登校が発覚。1学期から学校に行くふりをして自宅(じたく)の裏(うら)にかくれ、須田さんが出勤(しゅっきん)後、長女は再(ふたた)び家に戻(もど)っていました。学校には時々登校し、プリントなどを持ち帰っていたために不登校に気付かず、学校からも連絡(れんらく)はなかったそうです。発覚後も不登校は続きました。
 須田さんは「子どもはみんなお母さんが大好き。学校を休んで、お母さんを悲しませたくはない。だけど、学校には行きたくても行けない。『休んだらだめ』と思っているとしんどいし、お母さんがイライラすると罪悪感(ざいあくかん)を感じてしまう」と、子どもの気持ちを代弁(だいべん)しました。
 今は全国のつどいの運営(うんえい)にも関わっている須田さんは「親同士の横のつながりがあれば、親も子も安心できる」と説明。最後に「こんなふうに大人が声を掛(か)けると子どもは楽になりますよ」とアドバイスしました。
 「休んでもいいんだよ。悩(なや)んでるのはあなただけじゃないよ。大丈夫(だいじょうぶ)やで」

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