神奈川県と韓国・京畿道、友好交流に影 「不買」条例案可決か

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友好提携25周年を記念して神奈川県と韓国・京畿道が結んだ共同宣言の署名式典=2015年、京畿道

 元徴用工訴訟など歴史問題に端を発した日本と韓国との関係悪化が、自治体外交にも影を落としている。韓国のソウルと釜山両市議会で6日に成立した日本製品不買条例と同種の条例案が京畿道でも可決される見通しとなり、友好都市の神奈川県が対応に苦慮。「草の根交流は、葉がこすれても根が枯れなければ続けられる」。友好提携30年の節目を来年に控え、関係者は修復の糸口を模索している。

 県などによると、京畿道議会で審議されているのは「日本の戦犯企業の記憶に関する条例案」。日本の特定企業284社を「戦犯企業」とし、道内の小中高校が所有する該当企業の備品に「戦犯企業の製品」と明記したステッカーを貼るよう努力義務を課す内容だ。8月30日の常任委員会で可決し、9月10日の本会議で成立する公算が大きくなっている。

 条例案は、同議会で9割超を占める文在寅政権の与党「共に民主党」の議員が中心になって推進。3月にはステッカー表示の義務化を盛り込んだ条例案が発議されたが、同教育庁や道民の反発を受けて保留されていた。

 日韓関係の冷え込みに絡む県と京畿道の交流を巡っては、スポーツ交流団や友好議員団が相次いで来県中止を決定。県と県議会は当面は静観する構えだが、一部では「交流事業を立て続けにキャンセルした上に不買運動の先頭に立つことは、さすがに看過できない」といった声も出始めている。ただ、条例可決前の抗議などは「内政干渉」に当たることも懸念され、具体的な対応策を打ち出せずにいるのが実情だ。

 県と京畿道の友好提携は、長洲一二知事時代の1990年に調印。従軍慰安婦や竹島を巡る問題で日韓関係が揺れた際も途切れず、「草の根レベルの市民交流」を続けてきた。県議会日韓親善議員連盟の関係者は「来年は30周年の節目。その前に、どうにかして草の根を枯らさない方策を考えていきたい」としている。