ドラマ甲子園大賞受賞作「受験ゾンビ」放送!ヒロイン・玉城ティナと18歳・伊藤佑里香監督が作品に込めた思いとは

ドラマ甲子園大賞受賞作「受験ゾンビ」放送!ヒロイン・玉城ティナと18歳・伊藤佑里香監督が作品に込めた思いとは

CS放送のフジテレビONE/TWO/NEXTが、高校生を対象に募集した脚本・演出家才能発掘プロジェクト「ドラマ甲子園」の、第6回受賞作品が発表。伊藤佑里香さん(18歳)の「受験ゾンビ」が見事大賞を受賞した。大賞受賞作はプロのスタッフの下で映像化され、伊藤さんが監督を務めることに。さらに、主演には玉城ティナの出演が決定した。

舞台は山奥にある高校。受験を控えた高校3年生の夏休みに、文化祭準備のため主人公・野口あかり(玉城)が登校してくるところから物語は始まる。ありふれた学園生活から一転、次々にゾンビ化していく生徒たちの姿を描きながら、受験に対する悩み、苦しみなどあらゆる感情を切り取ったリアルな現代の高校生たちの人間ドラマを展開する。そんな本作を作り上げた伊藤監督と、主演の玉城ティナが作品に関する思いを語った。

──まず脚本を読んでみて、いかがでしたか?

玉城「タイトルから内容が全く想像できなくて。いざ読んでみると、キャラクターの描写などが今の社会の状況と符合しているのだろうなと思う箇所があり、題材はゾンビなのにリアリティーがあるなと感じました」

──玉城さんが演じられるあかりはどのようなキャラクターですか?

玉城「監督とは、『(クラスの)中心にいるタイプの女の子だよね』と話しました。他のキャラクターは分かりやすい特徴がある中で、あかりはそれぞれの真ん中にいるような気がして。なので、他の人物と会話する時に彼女のキャラクターが際立つのかなと。他のキャストさんと合わせていく中でセリフの言い方も変えていました」

──監督はこの作品をどのような着想で描かれたのでしょうか?

伊藤「だいぶさかのぼりますけど、ハロウィンの時に友達と『受験に苦しんでゾンビになった女子高生のコスプレをしたら面白いだろうね』と話したのがきっかけです。それがなんとなく心に残っていて。ちょうどその時、ゾンビ映画にハマっていたこともあり、思い切って書いてみようと思いました。当時受験が始まった時期でもあったので、受験意識への悩みを込めた人間ドラマにしたいなと考えていました」

──受賞を聞いた時はどう思いましたか?

伊藤「『ドラマ甲子園』は毎年テイストも違うので、『こういう作品でも受け入れてくれるのでは…』と思って出した部分もありましたけど、まさか本当にやらせてもらえるとは思わなかったので、信じられなかったです! 私は中学生の頃から映画部に入っていて有志で自主制作映画を作ったりもしていたので、『今までの活動が大きいことにつながって良かったね』と友人が喜んでくれたのはうれしかったですね」

──では、豪華な俳優陣が出演すると決まった時の心境は?

伊藤「実は、脚本を書いている時に参考のために見ていた映画の中に、玉城さんが出演している作品が二つあって。二つの作品であまりにも雰囲気が違ったので、それまではモデルさんとして認識していましたが『すごい女優さんだな…!』と感じました。印象的な演技をする方だなと。後に玉城さんがヒロインになると知った時は運命的だなと思いましたね。他の方も今まで見ていた作品に出ている方々ばかりで、『私の作品ではどんな演技を見せてくれるんだろう』と、ワクワクしていました」

──一方、玉城さんはどんなことを意識して演じられたのでしょう?

玉城「監督が一番こだわっていたのは、『ゾンビが出る前提で学園生活をおくらないでほしい』ということでした。また、私の役は意外性があるので、そことの落差には気を付けるように演じました。監督が、直すべきところとそのままでいいところを分かりやすく言葉で説明してくださったのも印象的でした。他の役者さんともそうですが、コミュニケーションを取って作り上げていけたように思います」

──普段はプロの監督とお仕事をされているわけですが、今回は高校生の監督ということで、何か感じたことはありますか?

玉城「高校生だと思わせないほどの慣れようだったので、『今まで何本か撮ってきたんじゃないかな?』と疑いました(笑)。でも、監督が周りのスタッフさんに、自然と『これってどういう意味ですか』と素直に聞いていく姿勢を見て、『私も初心を忘れずに挑まないと』とあらためて感じました」

──監督は、このお仕事を将来も続けてみたいと思われましたか?

伊藤「はい。元から憧れていましたけど、今回やらせていただいて、こういう職業に就きたいなと強く思いましたね。実は、こうして脚本を書くようになったのは今通っている学校がきっかけです。私は中学受験で第一志望の学校に行けなかったのですが、今の学校で経験したことや気付いたことが影響して今の私になったので。もし第一希望の学校に通っていたら、今の自分とは違っていたかもしれないですね」

──では最後に、視聴者にメッセージをお願いします。

伊藤「見ている人が、画面の中で自分自身とリンクするような登場人物を見つけることができたら、理解者がいたようで心が救われるんじゃないかと思って作り上げました。それが、この作品全体を通してのテーマです。同世代の方が救われるような作品になればいいなと思います。あとは、役者さんの演技がすごくて…!」

玉城「やったね!(笑)」

伊藤「役者さんたちの、思わず引き込まれるような表情は撮影から時間が経っても印象的に残っていました。なので、そういう表情にも注目してほしいですね」

玉城「皆さんも私と同じように、タイトルで『どういうことだろう?』となると思います。自分がどのキャラクターに近いのかを考えつつ、私たち役者と監督の熱い気持ちが皆さんに伝わればいいなと思います」

──ありがとうございました!

【プロフィール】


玉城ティナ(たましろ てぃな)
1997年10月8日生まれ。沖縄県出身。講談社主催の「ミスiD2013」で初代グランプリに輝き、14歳で講談社「ViVi」の最年少専属モデルとなる。2014年に、犬童一心監督が手掛けたドラマ「ダークシステム 恋の王座決定戦」(TBSほか)のヒロインで女優デビュー。15年、SABU監督の「天の茶助」でスクリーンデビュー後、話題作に続々と出演。NHK Eテレ「シャキーン!」、ニッポン放送「玉城ティナとある世界」にレギュラー出演中。

【番組情報】


第6回「ドラマ甲子園」大賞受賞作品「受験ゾンビ」
フジテレビTWO ドラマ・アニメ/フジテレビTWOsmart
10月20日 午後11:00~深夜0:00

取材・文/藤田真由香(フジテレビ担当)

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