マラソン観戦はここが面白い!レースに”ハマる”ポイント

【MGC特集】速いだけでは勝てない?!ラスト5kmは激坂上り

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森尾 伊久美

TOYO Press Editor

森尾 伊久美

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陸上競技を中心に、東洋大学のスポーツを取材しています。

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 さて、MGCまで残り2日を切りました。MGC特集第3回は、マラソン観戦の楽しみ方をお伝えしていきます。これから開幕する三大駅伝にも言えますが、「人がただ走ってるだけの映像、何時間も見てられないよ!」と、思っていませんか?それ、すごーく損してますよ!

「速い」≠「強い」

 マラソンや駅伝というのは不思議なもので、ただ走るのが「速い」だけでは勝つことができないんです。東洋大生なら「東洋大学は駅伝の強豪」ということは何となく知っていると思いますが、実際に選手の持ちタイムだけを見てみると、他大学と比べて決して速いわけではないことが分かります。では「強い」というのはどういうことでしょうか。個人的には、自分やチームの強みと持ち味を理解していることや、周りをよく見て賢く走ることが言えるかと思います。ただがむしゃらに走るだけじゃない、マラソンは頭脳戦でもあるのです。

誰がどこで「仕掛ける」かを見る

 9月15日、その日の気象状況がどうなるかはポイントです。最近では暑さは収まってきてだんだん秋の気候になってきているように感じますが、ゲリラ豪雨なんかも多いですね。気温と天気は選手のコンディションに大きく関わります。今のところ、選手が走る午前中は晴れで気温もあまり上がらない予報です。特に日陰がほぼ皆無と言っていいMGCコース。もし30℃を超え日差しが強かったり湿度が高かったりすると、暑さによる消耗が大きくなりそうです。

 通常のマラソンでは30kmまでペースメーカーがつきますが、MGCにはペースメーカーが付きません。それによってハイペースで逃げ切る展開になるのか、スローペースで牽制し合い、最後に仕掛ける展開になるのかは注目です。誰かに付いていくのか自分からレースを引っ張るのか、選手の性格や戦略が交錯します。東京五輪代表内定は順位のみでタイムは関わらないので、その辺りがどのように影響するでしょうか。

 勝負を仕掛ける場所としては「給水」「曲がり角」「坂」の3つがポイントです。特にMGCでは、スタート・ゴール地点の明治神宮外苑から市ヶ谷付近の約5kmは高低差30mのアップダウンがあります。レース終盤、満身創痍で駆け上がる上り坂。そこが勝負の分かれ目になることは間違いなさそうです。もしかするとそれを見越して、前半から飛ばす選手や、30km前半の神保町と内堀通りの折り返しルート、上り坂が始まる前にある東京ドーム前の36km地点あたりで早めに勝負を仕掛ける選手もいるかもしれません。

(往路3km地点・復路40km地点の靖国通りは急勾配、筆者撮影)

現地で選手のスピードを体感する

 マラソン選手は42.195kmもの距離を、たった2時間ちょっとで走ります。これは、1kmあたりおよそ3分のペース(陸上用語で「キロ3」と言います)で、100mに換算すると18秒です。これ、女子の100m走の平均タイムくらいなんです。選手は私たちの全力疾走と同じスピードで42.195km走るんです。恐ろしいですね!

 このスピード感を、テレビで見ているのと生で見て体感するのとでは、迫力が全然違います。泥臭さや細かい表情、目線や汗のかき方、現地でしか分からないことはたくさんあります。何より、走っていて辛いなか「がんばれ!」と声をかけてもらうことは、いくら選手と面識が無くたって力になるはずです。通りすぎるのは一瞬ですが、新しい体験や感動を得られるはずです。MGCはスタートとゴールが同じで往復するコースになっているので、どこでも必ず2回見られます。特に、神保町と日本橋は3回も選手が通るので、オススメの観戦スポットです。都心で路線が豊富なので、電車で何箇所か移動するというのも良いでしょう。

(神保町で3回通るのは白山通りと靖国通りの交差点。神保町駅A3、A5、A6、A7出口が囲む形。筆者撮影)

選手の足元にも注目

 ここからは少しマニアックな話になりますが、箱根駅伝を見たことがある人は、「みんな同じ靴履いてるじゃん!」と思ったかもしれませんね。最近ではナイキの厚底シューズが流行りで、今回のMGCではナイキ契約選手が一斉にグラフィックをツイートするなど、広告に力を入れているようです。今でも6号館に箱根駅伝のときのポスターが残してありますが、東洋大学もサポートを受けており、東洋大学OBでは山本浩之選手以外はナイキを着用する予定です。

(2019年箱根駅伝に向けて発売されたEKIDEN PACKは、インソールに箱根の山のモチーフ。筆者私物)

選手がどんなシューズを履くのか、選手の争いはもちろんですが、水面下で行われるメーカー同士の争いも見逃せません。