<レスリング>【2019年世界選手権・展望(21)】元ロシアのアダム・バティロフ(バーレーン)が抜け出すか…男子フリースタイル70kg級

※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

バーレーンに世界一をもたらすことができるか、元ロシアのアダム・バティロフ

 昨年優勝のマゴメドラスル・ガジマゴメドフ(ロシア)は、1月のヤリギン国際大会(ロシア)で優勝し、欧州選手権3位でランキング1位。しかし、同選手権のあとオリンピック階級の74kg級にアップした(ロシア選手権3位)。この階級のロシア代表で出てくるのは、昨年のU23世界選手権優勝のダビッド・バエフ。若さを武器に、ガジマゴメドフの後を継げるか。

 昨年2位のアダム・バティロフ(バーレーン=元ロシア)は、今年のアジア選手権は74kg級へ出場した。オリンピック階級での出場が予想されたが、この階級にエントリーし、第1シード権を獲得。世界一になって正式に階級アップか。第2シードは今年4月のアジア選手権優勝のヌルコジャ・カイパノフ(カザフスタン)。5月の「サッサリ国際大会」(イタリア)で優勝、8月の「ジオルコウスキ国際大会」(ポーランド)2位と好調。場合によってはアジア同士の決勝が実現か。

 アジア選手権3位で第3シードのヨウネス・アリアクバー・エマミチョグエイ(イラン)、昨年8位で第4シードのデビド・サファリャン(アルメニア)らが優勝戦線にからむか。

 欧州選手権でガジマゴメドフを破って2位となったのは、アガフエセイン・ムスタファエフ(アゼルバイジャン)。さほど実績のない30歳だが、国際キャリアは長い選手。殊勲なるか。同決勝でムスタファエフを破ったムスタファ・カヤ(トルコ)は、長く65kg級でやっていた選手。2017年世界選手権は同級5位だった。この階級でも世界の上位に行けるか。

 2017年世界2位のジェームズ・グリーン(米国)は、昨年13位など、その後の成績は今ひとつ。復活なるか。

 志賀晃次郎(拓大)は、3月のワールドカップで世界3位のフランクリン・マレン・カスティーヨ(キューバ)を破り、上位に食い込める実力を見せた。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手

1. Gazimagomedov, Magomedrasul(ロシア)
2. Batirov, Adam(バーレーン)
3. Maren Castillo, Franklin(キューバ)
〃 Iakobishvili, Zurabi(ジョージア)
5. Kviatkovski, Andrey(ウクライナ)
〃 Bat-Erdene, Byambadorj(モンゴル)
7. Navruzov, Ikhtiyor(ウズベキスタン)
8. Safaryan, Devid(アルメニア) 1. Batirov, Adam(バーレーン)
2. Kaipanov, Nurkozha(カザフスタン)
3. Emamichoughuei, Younes Aliakbar(イラン)
4. Safaryan, Devid(アルメニア)

2018年アジア大会 2019年アジア選手権

(実施せず) 1. Kaipanov, Nurkozha(カザフスタン)
2. 志賀晃次郎(日本)
3. Yuan, Shaohua(中国)
〃 Emamichoughuei, Younes Aliakbar(イラン)

2019年欧州選手権 2019年欧州大会

1. Kaya, Mustafa(トルコ)
2. Mustafaev, Agahueseyin(アゼルバイジャン)
3. Gadzhiev, Magomedmurad(ポーランド)
〃 Gazimagomedov, Magomedrasul(ロシア) (実施せず)

2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会

1. Ashnault, Anthony James(米国)
2. Rowe, Nicholas David(カナダ)
3. Taipe Duanama, Mitchel Edson(ペルー)
4. de lima Viana De Souza, Hugo Leonardo(ブラジル) (実施せず)

© 公益財団法人日本レスリング協会