【U-18W杯】飯塚、世界で掴んだ手応え 佐々木や奥川は「一緒に過ごしたら同じ人間でした」

リリーフとして4試合に登板した侍ジャパンU-18代表の習志野・飯塚脩人【写真:荒川祐史】

スペイン、米国、カナダ、韓国の4試合で防御率0.00の力投

 韓国・機張(きじゃん)で行われていた「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(全試合テレビ朝日系列・BS朝日・AbemaTVで放送)で野球日本代表「侍ジャパン」高校代表はスーパーラウンド2勝3敗の成績で5位に終わった。その中で存在感を示したのは選抜準優勝右腕の飯塚脩人投手(習志野)だった。スペイン、米国、カナダ、韓国の4試合に投げ、6イニング無失点の好投。リリーフエースとして侍ジャパンを支えた。国際試合での精神力の強さを見せた。

 長い戦いを終えて、選手たちは8日に宿舎で取材に応じた。飯塚は今大会を振り返り、驚きと手応えを口にした。

「満足というか、出来すぎかな……と。米国戦やスーパーラウンドのカナダや韓国など強いチームを相手に投げさせてもらったので、少しですが世界に通用したのかなと思います」

 米国戦では2回を無失点。8回無死二、三塁のピンチも力と技でねじ伏せた。カナダ戦も韓国戦も1本も安打を許さない好投を見せた。

「スライダーで三振を取れたり、ノーアウトから1点もやらなかったというのは良かったですね。他の投手と違って、僕はもともとリリーフ。先発の役割はなかったので、ベンチで長く過ごす時間が多かったので、盛り上げたり、声をかけることを一生懸命やっていました」

 韓国に来てから、食事が口に合わない選手もいた。佐々木や奥川は体重が減ったりもした。飯塚はしっかりと食事に口を運んでいた。

「偏りはあったかもしれませんが、量に問題はなかったと思います。でも少し、辛かったかな。口に入れないで、お腹が空いてしまったら戦えない。ベストパフォーマンスに入っていけないので」

報道陣からの挨拶に安堵「あ、日本語だー!って(笑)」

 宿舎では投手陣で過ごす時間が多かった。ゆっくり会話ができた。

「佐々木や奥川とは会う前は本当に人間なのかと思っていました。一緒に過ごしたら同じ人間でしたね。気さくに話しかけてくれましたし、みんなが笑う時に一緒に笑ったり、楽しかった。この中のメンバーはプロに大半が進みますが、僕のこれからは未定ですが、野球を続けていく上ではいい刺激になっていくと思います」

 日本代表は9日に帰国の途につく。飯塚はこの大会で高校野球は引退となる。帰国後は習志野の監督や家族への挨拶、これまでの感謝を伝えたいという。

「今まで本当にありがとうございました、と言いたいです。あと、早く日本語が見たいです。ペットボトルひとつとっても韓国語で……。球場入りするとき記者の皆さんから『おはようございます』と言ってもらえるとき、ホッとしていたんです。あ、日本語だー!って(笑)。なので、チームメートと話すことは大事な時間でした」

 最強投手陣と言われるほど、好投手が多かった今回のチーム。渡韓前は自分はチームの「盛り上げ役でいい」と佐々木や奥川らの“引き立て役”になることを誓っていたが、終わってみれば、好成績を残した投手の一人だった。150キロを超える直球は世界の強豪に通用した。プロからも高い評価を得ているが、大学に進学する予定。W杯で確かな手応えを持って、飯塚は次のステージへと向かう。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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