石木ダム反対派が集会 150人、長崎市中心部を行進

石木ダムの建設中止を訴えデモ行進する地権者や支援者ら=長崎市浜町

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、建設に反対する地権者や支援者ら約150人が7日、建設予定地の強制収用反対を訴え、長崎市内で集会を開き、市中心部をデモ行進した。
 石木ダムを巡っては、県収用委員会が5月、反対地権者13世帯の宅地を含む未買収地約12万平方メートルの明け渡しを求める裁決を出した。県と佐世保市が土地の権利を取得する時期を今月19日とし、同日を家屋など物件を含まない土地の明け渡し期限とするなど、同事業は大きな局面を迎えている。
 集会では、実行委の森下浩史さん(72)が「一人一人が声を大にして強制収用に反対しよう」とあいさつ。地権者で川棚町議の炭谷猛さん(68)は「最終的に『あなたたちは地権者ではない』と言われる、そんなばかげた話が現実味を帯びていることが悔しくてたまらない」と語気を強めた。19日に地権者と中村法道知事との約5年ぶりの面会が県庁で予定されていることに触れ、「自分たちの地域に残り生活するということを知事に言い続ける」と力を込めた。
 集会後、参加者は横断幕を掲げ、中心部アーケードなどを約1時間行進。「人の暮らしと自然を守ろう」「まだ間に合う」などと訴えた。

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