<レスリング>【2019年世界選手権・展望(24)】インドから9年ぶりの世界王者を目指すプニア・バジラン…男子フリースタイル65kg級

※シード選手は、最終エントリーによって変わる場合があります。

インドから9年ぶりの世界王者を目指すプニア・バジラン

 昨年2位のプニア・バジラン(インド)は、3月の「ダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会」(ブルガリア)、4月のアジア選手権、5月の「アリ・アリエフ国際大会」(ロシア)、8月の「トビリシ国際大会」(ジョージア)と優勝を重ねた。ランキングは世界王者の乙黒拓斗を追い越して1位となり、第1シードへ。勢いがある。唯一、5月の「Beat the Streets」(米国)で全米学生王者(アンニ・ディアコミハリス)敗れている。

 第2シードとなった乙黒拓斗(山梨学院大)は、負傷もあって、昨年の世界選手権以来の国際大会となる。昨年、ノーシードから勝ち上がった勝負強さで連覇なるか。

 昨年3位のアフメド・チャカエフ(ロシア)は、1月の「ヤリギン国際大会」(ロシア)優勝のあと、6月の欧州大会は3位へ。ロシア選手権には出場せず、同級のロシア代表は2年連続で61kg級世界2位のガジムラド・ラシドフ。65kg級の国際大会は「ヤリギン国際大会」3位があるだけだが、一気に栄冠を勝ち取るか。

 欧州大会でチャカエフを破ったのは、2016年リオデジャネイロ・オリンピック57kg級優勝のウラジーミル・キンチェガシビリ(ジョージア)。4月の欧州選手権は9位など、まだ安定しているとは言いがたいが、3年をかけて2階級アップをこなしつつある。

 そのキンチェガシビリを破って優勝したのが、2014・15・17年61kg級世界王者のハジ・アリエフ(アゼルバイジャン)。2018年の欧州選手権、2018年の欧州選手権・大会を連覇。こちらは完全に階級アップをこなしており、優勝候補の一人と言えよう。

 昨年3位のアレヤンドロ・エンリケ・バルデス・トビエル(キューバ)は、今年8月のパンアメリカン大会で優勝。実力をキープしている。欧州選手権2位で第3シードのセラハティン・キリチャラヤン(トルコ)、アジア選手権2位で第4シードのサヤトペク・オカソフ(カザフスタン)より、ノーシードのラシドフ、キンチェガシビリ、アリエフの方が手ごわそうな状況だ。


2018年世界選手権成績 2019年世界選手権 シード選手

1. 乙黒拓斗(日本)
2. Punia, Bajrang(インド)
3. Valdes Tobier, Alejandro Enrique(キューバ)
〃 Chakaev, Akhmed(ロシア)
5. Lee, Seung-Chul(韓国)
〃 Bucur, George(ルーマニア)
7. Tumur-Ochir, Tulga(モンゴル)
8. Perpelita, Andrei(モルドバ) 1. Punia, Bajrang(インド)
2. 乙黒拓斗(日本)
3. Kilicsallayan, Selahattin(トルコ)
4. Okassov, Sayatpek(カザフスタン)

2018年アジア大会 2019年アジア選手権

1. Punia, Bajrang(インド)
2. 高谷大地(日本)
3. Khasanov, Sirodiddin(ウズベキスタン)
〃 Okassov, Sayatpek(カザフスタン) 1. Punia, Bajrang(インド)
2. Okassov, Sayatpek(カザフスタン)
3. Kim, Han-Song(北朝鮮)
4. Byabani, Pejman Bioukagha(イラン)

2019年欧州選手権 2019年欧州大会

1. Aliev, Haji(アゼルバイジャン)
2. Kilicsallayan, Selahattin(トルコ)
3. Kuular, Nachyin(ロシア)
〃 Shuptar, Vasyl(ウクライナ) 1. Aliev, Haji(アゼルバイジャン)
2. Khinchegashvili, Vladimir(ジョージア)
3. Chakaev, Akhmed(ロシア)
〃 Oganesyan, Gor(ウクライナ)

2019年パンアメリカン選手権 2019年パンアメリカン大会

1. McCrystal, Colton James(米国)
2. Solenzal Lopez, Cristian Damian(キューバ)
3. Destribats, Agustin Alejandro(アルゼンチン)
〃 Sanchez Saltos, Mauricio Javier(エクアドル) 1. Valdes Tobier, Alejandro Enrique(キューバ)
2. Rudesindo Camacho, Alvaro(ドミニカ)
3. Sanchez Salto, Mauricio Javier(エクアドル)
〃 Eierman, Jaydin Selsor(米国)

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