ストロール、ベッテルの失態に不満も、ペナルティは公平性に欠けると苦言。「同じことをしたのだから、両者に同じ罰則を科すべき」

 レーシングポイントのランス・ストロールは、F1第14戦イタリアGPでのセバスチャン・ベッテルの無謀なコース復帰に対し、目で見て分かるほどに怒りを示した。というのも、それにより彼のレースは台無しになったからだ。

 6周目、アスカリのシケインに入るあたりでベッテルはスピンを喫し、コースに戻る際にストロールのマシンに衝突した。

「正直に言うと、今回起こったことに関しては本当にイラついているよ」とストロールはレース後に語った。

「彼はコースに戻ってきた時、戻るべきではないようなポジションにあのように強引に戻ってきたんだ。僕は彼を避けるためにできることはすべてした。イエローフラッグが出たのを見ていたし本当に慎重に対処した」

2019年F1第14戦イタリアGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がランス・ストロール(レーシングポイント)と接触

「僕は当時の状況におけるルールに従っていた。彼はアスカリの中間でコースに戻ったが、僕はスピードをかなり遅くしていたし、あそこであれ以上できることは何もなかった。彼がそこでコース全体を遮っていて、僕に衝突した。そして僕はスピンし、おかしな方向を向いてしまったんだ」

 ストロールは、アスカリ出口の左側で立往生した後、コースに戻ったが、その間に向かって来ていたトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが回避行動を取らざるを得なくなった。

「僕は右側から誰が来ているのか見えなかった。だからコースに戻るために危険な動きをしてしまったのも仕方がなかった。そして(ベッテルと)ほとんど同じ行為に関してペナルティを科された」

「本当にただただ災難だった。右側は死角だったし、僕はただあの時点でレースに戻ろうとしただけだった。あの時点でできることなんて本当に何もなかった。ただ推測するしかなかった」

 ベッテルは10秒間のストップ&ゴーペナルティに加え、ライセンスにペナルティポイントが3点追加された。その一方でストロールに対してはドライブスルーペナルティのみが科された。

 ストロールはベッテルの失態に関して不満はあったが、スチュワードが科したペナルティに対して、同じ違反行為に関しては同じ罰則を科すべきだとして、この裁定を非難している。

「僕はペナルティは同じであるべきだったと考えている。両者にドライブスルーペナルティを科すべきだった。なぜそうではないのか分からないよ。正直に言うと、この件は本当に公平性に欠けることだと感じている。僕はベッテルとまったく同じことをしたのだからね」

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