「NHKから国民を守る党」の党首・立花孝志議員を面白がってはいけない|久田将義

NHKから国民を守る党の公式サイトより

NHKから国民を守る党(以下、N国党)党首・立花孝志議員が、警視庁月島署から脅迫の疑いで任意事情聴取されました。

「チートでも結果を出した事は凄い」という風潮があります。

堀江貴文氏は「右派のポピュリズムが政権を取っているのが世界の潮流」として「これ(N国党)は凄いな」とYouTubeで語ったり、メンタリストDaiGo氏も自身のYouTubeで立花党首のマツコ・デラックス氏に対する言動を評価したり、インテリ層というか偏差値の高い人に「ヘンな人を面白いと言う」風潮があります。

僕は以前からこれに違和感を抱いていました。

最近だと「福島第一原発事故の情報の伝え方がどうもインチキくさいけど、放射線の怖さを伝える為だったらいいか」という感じで元ジャーナリスト上杉隆氏(N国党幹事長)が評価されたりしました。後に映画評論家町山智弘氏、朝日新聞の奥山俊宏記者などから批判・論破されます。

頭が良い人の考え方は時として、怖いものです。

その彼らが評価する立花党首が当選後、今まで何をやってきたかというと、

・マツコデラックスさんに抗議する為、MXTVに押し掛ける
・松田美樹新宿区議の居住偽装で当選無効を「ぶっちゃけた話、住んだら水道ひねりっぱなしにしろって言っているんですよ。それをやってなかった話でしょ。偽装しよう思ったらいくらでも出来たんですよ。それに失敗しただけの話ですわ」と発言。「偽装」って言っちゃってるじゃないですか。

こうした事が、報道ベースでは取り上げられました。彼の活動は自身のYouTubeからの収入で行っているのかも知れませんが、一応国会議員です。「収入」としては「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」によると月額約130万円です。これは税金でまかなわれます。

そして、今回はN国党から出馬し当選した中央区二瓶文徳区議を「道を歩けなくさせる」と脅迫した疑いで月島署に任意で事情聴取(二瓶区議が離党したため)。

ニコニコ生放送で記者会見を見ましたが「暴力を振るわれたら返す。正当防衛」「議員なら警察に被害届を出すのではなく言論で対抗しろ」といった主旨の事を論じていました。で、最後には「二瓶文徳議員をぶっこわーす」と締めていました。警視庁および所轄の月島署はこの会見を見ていたとしたら、警察への挑戦と取る事でしょう。大丈夫でしょうか。

投票した人は、誰かを脅迫して欲しいから彼を国会へ送り出したのでしょうか。ポピュリズムは怖いという一面を改めて感じました。

もしかして、立花議員の行動を「理解出来ない」というまともな人がいるかも知れません。当然です。

が、基本、ユーチューバーでありニコ生配信者なので「何事もネタにしている」だけです。「NHKをぶっこわーす」も今のところ、ネタに見えます。ネタにまともに取り合うのは非常に時間の無駄です。が、いかんせん、彼と言えど国会議員なのですよね。だからこうして取り上げざるを得ないのですが、溜息が出ます。(文◎久田将義)

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