伊藤忠商事、テラサイクルと提携しリサイクルビジネスへ本格参入

伊藤忠商事は6日、米テラサイクルと資本・業務提携を締結し、リサイクルビジネスへ本格参入することを発表した。伊藤忠グループのネットワークを生かし、国内やアジア圏内の樹脂、素材メーカーなどをテラサイクルが手がけるリサイクル事業とマッチングする。これによりマテリアルリサイクルによるプラスチック資源の再利用を促し、資源の循環を促進する狙い。伊藤忠商事の広報担当者は「社会の理念に則った課題解決型のビジネスを行う必要がある」と今回の業務提携の必然性を強調した。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局=沖本啓一)

米テラサイクルは、「捨てるという概念を捨てよう」というミッションを持ち、リサイクル事業を21カ国で展開している。今回の提携で伊藤忠商事は国内、アジア圏内の樹脂メーカー、成形メーカー、紙などの素材メーカーを、テラサイクルのリサイクル技術やプログラム、ブランドオーナーのネットワークとマッチングするほか、テラサイクルへの社員の出向も視野に入れる。伊藤忠傘下の企業も併せ、両社の連携によってリサイクル事業の大枠の仕組みをつくるという。

日本では、廃棄物として排出されているプラスチックごみの約14%が単純焼却や埋め立てなどで未利用のまま処理されている。また約63%は焼却しエネルギーとして再利用する「サーマルリサイクル」がされているが、欧米ではプラごみを新たな素材として利用する「マテリアルリサイクル」が推進されている。

こうした世界的な動向を受けて「社会の理念に則り、課題解決型のビジネスを行うことが必要だと考えていたときに、テラサイクルというユニークな企業と出合った」と伊藤忠商事の広報担当者は説明する。提携によって、伊藤忠傘下のメーカーなどでの再生プラスチックの導入・利用拡大を進める。同社は「リサイクル領域での新たなビジネスモデルを創りあげ、世界の持続可能な発展に向けた循環型社会の実現を推進する」と意気込む。

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