下水道の「不明水」対策に本腰 老朽化+雨水流入増で被害多発

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2017年10月の台風21号で雨水が流入し、下水が噴き出すマンホール(東近江市内)=滋賀県提供

 近年の豪雨傾向を踏まえ、滋賀県は雨水などが下水道に紛れ込む不明水対策を本格化させている。下水道管の老朽化に伴って不明水量は増加傾向にあり、年間の下水処理量の1割を超す。豪雨時には下水流量が計画規模を超え、マンホールからあふれ出す被害も多発している。県や市町は老朽管の更新や修繕、浄化施設の処理能力の増強などを進めている。

 県が管理する琵琶湖流域下水道は、家庭排水と雨水を別に流す分流式。県は下水処理量のうち、一定量の地下水の流入を見込んで幹線の太さや浄化施設の能力を設定しているが、雨水の流入増加で不明水量はここ10年間で約3割増えている。雨水を下水道に流す誤接続の家庭も3%程度あるとみられ、年間を通じて浸入させている。

 2017年10月には、超大型の台風21号の影響で湖南中部浄化センター(草津市)に流れ込んだ不明水量が通常の月の3倍に達した。県内106カ所でマンホールから水があふれ出る被害も発生した。

 県は14年度に県内市町と不明水対策検討会を発足させ、雨水の浸入抑制や豪雨時の被害軽減対策を議論してきた。17年度には県と全19市町がそれぞれ5年間の実施計画を策定。台風21号と同程度の雨でも被害が生じないよう、老朽管の更新や修繕を進めるほか、県は約3億円を投じて湖南中部浄化センターの処理能力の増強に乗り出した。

 流量計を用いた下水道管の浸入箇所の絞り込みや、誤接続がある家庭への改善指導なども進めている。県内には表面に穴が開いた旧型のマンホールが1万個以上あり、雨水の流入を防ぐために穴がない型へと順次更新する。

 下水処理費用が増加すれば、各家庭の負担増につながる可能性もある。年間約2億円(17年度)に上る不明水の処理費用は県と市町が分担しているが、一部は家庭の下水道使用料に反映されている。

 県や市町は本年度から不明水抑制の数値目標を設定し、実施計画に位置づけていく方針だ。県下水道課は「下水道に流入する雨水を抑制することが基本。枝線を管理する市町を技術的に支援し、各家庭の負担が増えないよう修繕箇所の優先順位をつけて効率よく進めたい」としている。