長崎県漁業者 諫干開門 新たに提訴 元営農者も損害賠償請求へ

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門調査を巡り、2017年4月の開門差し止め長崎地裁判決後、独立当事者参加を認められなかった本県の漁業者6人が、国を相手に新たな開門請求訴訟を同地裁に起こしたことが10日、分かった。第1回口頭弁論が24日、同地裁で開かれる。
 国が開門差し止め判決に控訴しなかったため、国の補助参加人だった漁業者は17年4月、国の意思に関係なく控訴できる独立当事者参加を福岡高裁に申し立てたが、18年3月、却下された。
 独立当事者参加と併せて申し立てていた開門請求について、同高裁は「長崎地裁に移送」と判断。最高裁が6月、漁業者側の上告を棄却し、開門差し止め判決が確定したのを受け、開門請求が新たな訴訟として審理される。
 一方、漁業者側弁護団は10日、元営農者2人が干拓農地の整備不良が原因で営農が継続できなかったとして、国などを相手に損害賠償請求訴訟を近く同地裁に起こす方針を明らかにした。同弁護団は同日開かれた営農者の開門請求訴訟口頭弁論後、同訴訟への漁業者の補助参加が認められなかったことを報告した。同弁護団の馬奈木昭雄団長は「次々と訴訟が控えており、開門調査を取り巻く議論は終わらない」と述べた。

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