開成の中高生ジャズバンド、初の全国へ 地元の作編曲家ら指導

全国へ向け練習にも熱が入る開成ジュニアアンサンブル・スーパーブルーバーズ =開成町立開成南小学校

 神奈川県開成町を中心に活動する中高生ジャズバンド「開成ジュニアアンサンブル・スーパーブルーバーズ」が、8月に行われた「日本スチューデント・ジャズ・コンテスト」で3位以内に相当する会長賞を受賞。10月に浜松市で行われる全国大会「ハママツ・ジャズ・ウィーク・スチューデントジャズフェスティバル」への初出場を決めた。

 同バンドは、2010年に町立開成南小学校が開校し、地域に楽器を演奏できる多目的ホールなどが開放された際にできた町内の小学生らの演奏グループを基に、小学生バンドとして11年に発足。16年には中高生バンドもできた。

 両バンドとも設立時から作編曲家の本澤尚之さん(48)=同町吉田島=が指導。そのほか、楽器ごとにプロ・アマの音楽家も演奏を教える。これまで地元の開成町あじさいまつりや大山阿夫利神社(伊勢原市)のジャズコンサートなどで演奏を披露している。

 昭和音楽大(川崎市麻生区)で開催された今回のコンテストには、東日本から17バンドが参加。前身の大会から数えて4回目の出場となる同バンド19人は、本澤さんが作曲した「ア・メッセージ・トゥー・マイセルフ」を引っ提げて堂々と演奏した。ドラムやサックスなど4人が即興独奏を披露するなどして最高の成績を得た。本澤さんは「コンテンポラリー(現代)ジャズで挑戦的な内容が評価されたのかもしれない」と分析する。

 全国大会を控え、原則週1回の練習にも気合が入る。テナーサックス担当でバンドリーダーの播馬琴羽さん(県立弥栄高3年)は「会長賞は実感がない。この前の演奏は完璧ではなかった。もう一度その曲と向き合える時間をもらった」とリベンジを誓う。

 8月のコンテストにはあった20人以下という人数制限が全国大会にはなく、26人の団員が可能な限り出演する。ただ、受験生が中学、高校合わせて9人おり、勉強と練習の兼ね合いが難しいという。

 本澤さんは「東日本の代表として恥ずかしくない、レベルの高い演奏を披露したい」と意気込む。

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