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埼玉県越谷市 広報こしがやお知らせ版 令和元年9月号

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■口腔(こうくう)と善玉菌
越谷市歯科医師会 歯医者の杜 森 俊道(もり としみち)

最近テレビ等で腸内環境を整えるといった言葉を聞くようになっていませんか。
専門用語でプロバイオティクスと言います。定義は「腸管内に乳酸菌を送り込んで良好な腸内マイクロバイオームを作る方法」とされています。マイクロバイオームとは、私たちの腸管、口腔、皮膚などや生活する場所に住み着く細菌を含む微生物の集団のことです。どんな細菌かというと乳酸桿菌(かんきん)やビフィズス菌など数えきれないほどの種類があります。よく善玉菌とか悪玉菌と言った言葉を耳にしますが、特に善玉菌である乳酸桿菌の一種であるロイテリ菌が歯科では注目されています。菌の作用により歯肉炎の改善、歯周病の改善、虫歯菌の抑制、口臭の抑制ができるなど口腔内環境の良化が報告されています。
口腔内固有の細菌は、外部から入り込んでくる細菌を攻撃し、簡単には定着を許しません。ということは、ただ単純に口腔内に送り込んでも定着はしないということです。生菌が億単位で含まれるタブレットをなめても、すぐに菌数が減っていきます。たとえ1カ月摂取し続けても、1週間中断すればほとんどいなくなってしまいます。ロイテリ菌は食中毒を引き起こす腸管出血性大腸菌やリステリア菌などにもあらがう力があります。常に摂取しているご高齢の方には、口腔カンジダ菌を抑える効果があると報告がでています。
乳酸桿菌などに代表されるプロバイオティクスの最大の魅力は、使い続けても副作用が全くないことです。これらの菌を毎日摂取していただき腸内環境を整え、免疫力を向上させ口腔内環境の保全と改善をしていただくことで生活力の向上が図れればうれしいですね。