【IR】横浜市長の決断は7月31日 7月から補正予算準備も

横浜市が、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の立地場所として想定する山下ふ頭=同市中区

 横浜市は11日、林文子市長がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致を決断したのは7月31日だった、と明らかにした。その1週間前の定例会見で市長は、IRに関連する補正予算案を市会第3回定例会に提出する考えはないと明言したが、関係者への取材で、庁内では7月前半頃から提出に向けた準備が進められていたことも分かった。

 11日に開かれた市会政策・総務・財政委員会で、市側が市長の決断時期を問われ、明言した。委員からは庁内の検討状況や補正予算案策定までの経緯などを記した資料を求める意見が出された。

 関係者によると、副市長4人と、政策局や財政局の幹部らが7月31日、市長と面会。将来の市の財政見通しやIRの経済効果などを説明し、政策局として「実現する必要がある」との判断に至ったと報告。定例会に提出した2億6千万円の一般会計補正予算案についても説明した。市長はその場で明言こそしなかったものの、幹部らは事実上のGOサインと受け止めたという。

 委員会終了後に開かれた定例会見で、決断時期について聞かれた市長は、国や他都市の動向などを踏まえ、「判断すべきタイミングに来ていると考えていた」と振り返った。

 ただ関係者によると、庁内ではさらに早い段階で、準備が進められていたという。

 7月25日、政策局など関係部局で構成する「IR検討プロジェクト」の会合が開かれた。その場で、政策局はIRの実現が必要とし、補正予算案を提出する考えを他部局に説明。政策局内では予算要求書の準備を7月前半から進めていた。この日の会合では他に、市民らが懸念するギャンブル依存症対策に取り組む専門部会を設けることも決まったという。

 次回の委員会は13日に行われる予定。

© 株式会社神奈川新聞社