【第4次安倍再改造内閣】県内から4閣僚 小泉氏「まさに挑戦」、田中氏「被災者に寄り添う」  

神奈川選出の4氏。左より河野太郎防衛相、小泉進次郎環境相、田中和徳復興相、菅義偉官房長官

 第4次安倍再改造内閣が11日に発足し、神奈川選出の4氏が政権の一翼を担うことが決まった。留任の菅義偉官房長官(衆院2区)と横滑りの河野太郎防衛相(15区)に加え、小泉進次郎氏(11区)が環境相、田中和徳氏(10区)が復興相として初入閣。続投する主軸と満を持しての初登板組がそろい踏みし、安倍晋三首相が掲げた「安定と挑戦」の布陣を鮮明に映し出した格好だ。県内の「ポスト安倍」候補3人が、閣内でどう存在感を発揮するかも今後の焦点となる。

 「やりがいもあるが、課題もある。まさに挑戦だ」。小泉氏は首相官邸で、幾重にも重なって囲む記者団に力を込めた。

 初当選後の10年間で復興政務官や党筆頭副幹事長などを務め、国政選挙では歯切れの良い演説で人気弁士として活躍。ただ、党総裁選は石破茂元幹事長を2回連続で支持するなど、かねて安倍首相との微妙な距離感が取り沙汰されてきた。

 9日にあったという首相からの入閣要請には「理屈じゃない。『よろしくお願いします』と自然に(言葉が)出た」とし、男性では戦後最年少となる38歳での初入閣に「職責は重い」と背筋を伸ばした。

 地球温暖化や海洋プラスチックの問題など課題が山積する環境行政については、「世界ではものすごく重要な課題なのに、日本での扱いは小さい。世界と国内のギャップを埋めていきたい」。年明けに予定する第1子誕生に伴う育休取得には「公務最優先」とし、多様な意見を聞いて検討する考えを示した。

 安倍首相が「政治家に求められる高い調整力と政策実行力を兼ね備える大ベテラン」と評価する田中氏は、8期23年の「悲願」を達成。国会の事務所には午前中から、同僚議員や支援者からの祝電が相次いだ。

 入閣の連絡を受けると、緊張した表情で「東日本大震災前の状況に戻すのが大臣の務めだ」と述べ、「総合力が問われる福島の再生」(首相)に尽力する覚悟を示した。

 第2次安倍政権で環境副大臣や党組織運動本部長などを歴任。新たなポストには「震災直後から向き合ってきた被災地に導かれたような不思議な気持ち。現地至上主義で被災者の思いに寄り添っていきたい」と抱負を語った。

 一方、政権の中核として実績を重ねてきた2氏も、改めて前を見据えた。

 2年余り務めた外相から横滑りした河野氏は「自衛隊、防衛省の活動は、国民の生命、身体、財産を守ることに直結する。有事や災害時にしっかり活動できる現場をつくれるよう努力していきたい」。官房長官として歴代最長記録の更新を続ける菅氏は「与えられた役割の中で、安倍政権の一員として全力を尽くす」と表情を引き締めた。

 県内のポスト安倍候補が勢ぞろいした新内閣。小泉氏は「今日の一歩は、結果と真価が問われるスタート。仕事をして、(総理候補として)見てもらえるかが全てだ。働きます」と語った。

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