田中和徳氏入閣に期待込めた注文「被災地との橋渡し役を」

復興相に任命され、取材に応じる田中和徳氏=11日午後1時50分ごろ、首相官邸

 「衆院予算委員会などでまとめ役を担ってきた実力が認められたのだろう」。元参院議員の斎藤文夫氏は、自身の秘書を長く務めた田中和徳氏(衆院10区)の復興相としての初入閣をわがことのように喜んだ。10日に電話で報告があり「12日にも福島に出向く」と伝えられた。「行動力もある。活躍してほしい」とエールを送った。

 選挙区からは期待を込めた注文が寄せられた。福島で復興支援活動を続ける川崎市幸区の男性(63)は「復興が思うように進まない現実がある。冷静に被災地の現状を知るための橋渡し役を担ってほしい」と訴えた。

 ヘイトスピーチに反対する運動に取り組む同区の女性(51)は市民集会で「川崎で共に生きてきた在日韓国・朝鮮人への差別は許されない」と熱弁する田中氏の姿を覚えている。「地元をよく知る議員が閣僚になり心強い。川崎市が成立を目指す全国初のヘイト罰則条例の制定を後押ししてほしい」と話した。

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