子育てする甲虫ヨツボシモンシデムシ、空腹確認して幼虫に給餌

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幼虫に餌を与えるヨツボシモンシデムシの母親(左)=三高研究員撮影

 子育てをする甲虫・ヨツボシモンシデムシの母親が幼虫に餌を与える直前、幼虫の「おねだり」行動を引き起こすフェロモンを出していることが分かったと、京都大や京都工芸繊維大のグループが発表した。餌を効率よく幼虫に届けることができるといい、給餌をめぐる親子間のコミュニケーションの進化を理解する上で重要な知見という。成果は12日、米科学誌「アイサイエンス」に掲載される。

 ヨツボシモンシデムシは沖縄や一部離島を除く日本各地に生息し、オス、メスともに小動物の死肉を食べて消化した液体を幼虫に与え、子育てしている。これまでは、幼虫が餌をもらう直前に成虫の口元を足でたたく「餌乞い行動」が、給餌行動の起点だと考えられていた。

 京大農学研究科の高田守研究員や京都工繊大生物資源フィールド科学部門の三高雄希研究員らのグループは、幼虫の餌乞い行動が給餌直前になって一斉に起きる点に注目。餌乞いされたメスの成虫の体表や吐き戻した液体を調べると、餌乞いされないメスと比べ、揮発性物質の「2|フェノキシエタノール」が多く含まれていた。人工的に作った同物質を染みこませたろ紙をかざすと幼虫は餌乞いを始めたため、同物質が給餌のタイミングを示す役目を果たすと考えられるという。オスは今後実験する。

 高田研究員は「『ごはんあるよ。おなかはすいてる?』と親が子に尋ねるようなやり取りがあることで、幼虫は空腹を訴えるエネルギーの消耗を抑え、親も餌が必要な子に効率よく給餌できる。親から働きかけるという視点での詳しい研究成果は他の動物でもほとんど見られず、さらに研究を深めたい」としている。