県内政党反応 安倍内閣改造で

 安倍晋三首相が内閣改造を実施した11日、新内閣の顔触れに対して県内の政党関係者からは、「安定した実力派の内閣」「代わり映えしない」などの声が上がった。県内の各党代表に評価や要望などを聞いた。
実力ある人材起用
 【自民党県連・坂口博美会長】重要ポストは経験者で固めつつ、農相に就いた江藤拓氏を含め無派閥でも実力がある人材を評価して起用した。13人が初入閣だが、それぞれが各分野のエキスパートで、実力派の内閣。安定した強い日本をつくるため、これまでの方針を変えず自信を持って前へと進もうとする安倍首相の思いが形になった。憲法改正に向けては国会で十分に審議するとともに、国民への丁寧な説明が必要だ。
国民生活の安定を
 【公明党県本部・河野哲也代表】安定した国政運営ができる布陣。初入閣が13人、無派閥が6人おり、安倍首相の「安定と挑戦」に対する思いが感じられる。公的年金など社会保障制度を充実させ、国民一人一人が生活の安定を感じられる政治を目指してほしい。江藤拓農相はまさに適材適所で、大いに期待している。公明党から起用された赤羽一嘉国交相には本県の現状をしっかりと認識し、インフラ整備を進めてもらいたい。
変化期待できない
 【立憲民主党県連・渡辺創代表】安倍首相がやりたいことを推し進めるために、政策の方向性が近い人を集めたという印象。国民の中には安倍首相の政権運営に危機感を持つ人もおり、多様な声に耳を傾けることができるのか、不安を感じる人選となった。自民党役員の人事を含め、主要ポストにはいつもと同じ顔触れが目立ち、驚きはない。今回の内閣改造で「政治が変わるのでは」という期待は到底持てない。
代わり映えしない
 【国民民主党県連・田口雄二代表】13人が初入閣したが、小泉進次郎環境相以外、新鮮さを感じない。女性も2人だけで、主要ポストは留任や横すべりが目立つ。代わり映えのしない内閣改造だ。江藤拓衆院議員の農相就任は、本県から久しぶりの大臣就任であり、一県民として喜ばしい。本県では農業分野への関心が高い日米貿易交渉では、農政の責任者として交渉を良い方向へ進めつつ、地方の課題にも目を向けてほしい。
改憲へ危険な印象
 【共産党県委員会・松本隆委員長】安倍首相と思想・信条が近い閣僚が多く、主要ポストの一部も留任となった。「お友達人事」で、首相が目指す憲法改正を進めるために、非常に危険な顔触れになった印象だ。10月に予定されている消費税増税も大きな混乱が予想され、安倍政権が続けば続くほど、国民は大変な思いをすることになる。安倍首相を一日でも早く退陣させるため、市民と野党の共闘をより強力に推し進めていきたい。
農林水産業推進を
 【社民党県連・満行潤一代表】一言で言えば「代わり映えしない内閣改造」。13人も初入閣し、世代は幅広いが、骨格は全く変わらない。派閥の力学に基づいた任命と映る。本県選出の議員も久々に入閣したので、農林水産事業の推進などに尽力してほしい。自民党の役員人事も含めて、憲法改正の国会発議を進めていきたいという布陣。社民党としては、国民を含めて幅広く連携して、憲法改正を絶対に阻止したい。

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