<内閣改造>希望ある復興政策を 小泉氏らに期待

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 東日本大震災から8年半の節目を迎えた11日、内閣改造で復興相に田中和徳元財務副大臣(70)が就いた。安倍内閣が掲げる「東北の復興なくして日本の再生なし」の体現を担う。各地の視察を通じ、被災地と関わりが深い小泉進次郎元復興政務官(38)は環境相に就任した。2人への期待と注文を被災者に聞いた。

 「復興の成功事例しか視察しないのでは困る」。復興相は就任後すぐに被災地入りするのが通例だが、気仙沼市の災害公営住宅で自治会長を務める藤原武寛さん(53)が早速くぎを刺す。

 首相ら政治家が「被災者の心のケアに努める」と繰り返すたびに「意味があいまいで、その場しのぎに感じる」という。「生活に苦しむ人々にこそ目を向け、被災地が希望を持てる復興政策を」と願う。

 被災地では復興特需が終息し、人口減が影を落とす。釜石市で2017年春に居酒屋を再建した沓掛秋子さん(76)は「夜の人通りが減り、営業を早めに切り上げる日も多い。震災前のにぎわいが復活してほしい」と活性化策を望む。

 神奈川県選出の田中氏に対し、仙台市宮城野区の防災集団移転団地で暮らす無職片桐勝二さん(69)は「正直、どんな人なのか分からない」と困惑。「被災地では、新たなコミュニティー形成など息の長い取り組みが必要な課題ばかり。長期的なビジョンを示してほしい」と求めた。

 小泉氏が率いる環境省は、東京電力福島第1原発事故の除染に伴う汚染土の中間貯蔵施設を所管する。福島県浪江町で被災し、いわき市に移住した無職天野淑子さん(67)は「浪江に向かう道路や帰還した友人宅の前には仮置きされた汚染土が山積みで、見るたびに心が痛む。除染の加速に向けて行動力を発揮してほしい」と訴える。

 東松島市の防災集団移転団地で自治組織の会長を務める小野竹一さん(71)は、被災地を歩いてきた小泉氏の「現場感覚」に期待。前環境相が第1原発の汚染水処理に関し「(海洋)放出しか選択肢はない」と発言したことに「小泉氏なら福島の関係者の気持ちに、もっと敏感なはずだ」と語り、こう注文を付ける。

 「首相とけんかしてでも、復興に関して正しいことはしっかり言ってほしい」