鉄道の線路に大量の石があるのはなぜ?【トリビア】

ある日突然、鉄道の線路にはなぜ石が大量に敷き詰められているのかと疑問を抱きました。意味があるの?あるとしたらいったい何のため?当たり前になりすぎていて考えもしたことがなかった鉄道の石についていろいろ調べてみました。

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鉄道の線路の石には呼び名がある!

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鉄道の線路の下にあるあのゴロゴロした石。意外とおシャレな名前があります。その名も「バラスト」。バラストは、鉄道の専門用語ではなく、船の脚荷や気球の砂袋など、乗り物を安定させるものをバラストと呼びます。鉄道の場合、2~6cmほどで握りこぶし型の砕石であるバラストは、火山岩の岩盤を切り出してできる砕石から適したものが使われます。

バラストが敷き詰められたところを道床と呼びます。道床は、マクラギを固定するとともに、クッションの働きをします。列車の重さが、ベースとなる路盤に均等にかかるよう、分散させます。さらに、振動を小さくする効果があるとか。水はけのよさもメリットです。

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道床は、スピードを出す列車や重い列車が通る線路には厚く敷く必要があります。新幹線は30cm、JRの在来線の幹線が25cm、支線が20cmと規定があるそうです。

バラストが摩耗したり、土砂が混ざったりすると、かみ合わせが悪くなり、機能しなくなります。そのため、一部入れ替えなどのメンテナンスが必要になります。

鉄道のその他のバラスト

石のバラストをよく見かけるとはいえ、地下鉄などでは見かけませんよね。コンクリートにレールが付いているタイプが多いはずです。

その方がメンテナンスの手間がかからないのですが、バラストを使った方が費用がずっと安く済むのと、騒音と振動を小さくする効果が高いのだそうです。東京メトロ南北線や副都心線でも、騒音と振動を抑えるべきところでは、バラスト道床が使われているんですって。コンクリート道床に、消音効果のためにバラストを置くことさえあるそう。

JR東日本では、新技術として、「弾性バラスト軌道」を採用しています。これは、低コスト、低騒音、低振動、メンテナンスフリーのいいとこ取り。弾性材を付けたプレストレストコンクリート製のマクラギを使いつつ、バラストを撒いています。中央線東京駅や赤羽駅付近高架化、そして横浜駅構内MM21などにも使われている技術で、高架橋上やトンネル区間などの新設線に適用できるとか。

ちょっと難しい言葉が続いてしまいましたが、あの線路の石にはクッションの役割があるということ、その役割は科学技術が進んでも褪せないということだけ、おさえておけば良いかと思います。

(参考)

国土交通省 キッズコーナー

みちのく軌道会

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乗り物ニュース

鉄道ACT研究会

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