諫干請求異議 あす判決 開門「無効」の可否は

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 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門確定判決を巡り、開門を強制しないよう国が漁業者に求めた請求異議訴訟で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は13日、判決を言い渡す。2010年の開門確定判決の効力を事実上「無効」とした福岡高裁判決を見直すのか否か、判断が注目される。
 「漁業不振は干拓事業が原因」として漁業者が開門を求めるなどした別の2件の訴訟で、最高裁は6月、漁業者の上告を退け、「開門しない」判決を確定させた。今回の請求異議訴訟上告審で国が勝訴すれば、「非開門」の司法判断が統一される。一方、二審判決を破棄し、高裁に差し戻した場合、「開門」「開門差し止め」の司法判断のねじれ状態が続き、さらに審理が長期化するとみられる。
 同事業を巡っては、開門派の漁業者が起こした訴訟で、福岡高裁は10年12月、漁業者の訴えを認めた佐賀地裁の一審判決を支持し、国に「3年猶予後、5年間開放」を命令。当時の民主党政権が上告せずに確定した。
 一方、長崎地裁は13年11月、営農者による開門差し止め請求を認める仮処分を決定。相反する司法判断を「事情変更」とした国は14年1月、開門確定判決の効力停止を求める請求異議訴訟を佐賀地裁に起こした。請求異議訴訟は、確定判決の口頭弁論終結後の「事情変更」を理由に審理する手続き。
 佐賀地裁は国の請求を退けたが、昨年7月の二審福岡高裁判決で国が逆転勝訴。国が漁業者に払っていた制裁金も停止された。支払い済みの制裁金は12億3030万円。
 高裁が着目したのは「共同漁業権」。都道府県知事が各漁協に免許を交付し、10年ごとに更新する。判決は「(確定判決当時の)共同漁業権は13年8月末で消滅し、その後に取得した権利と異なる」と指摘。開門を求める権利も失われたと結論づけた。
 不服とした漁業者側は上告。最高裁第2小法廷は7月26日、「確定判決の既判力(効力)に関する法令解釈の誤り」を理由に口頭弁論を開いた。13日の最高裁判決では、二審判決理由の「10年免許制の共同漁業権の消滅に伴う開門請求権の消滅」が、開門確定判決の効力を停止させる「事情変更」と認められるか否かが焦点となる。