アコヤガイ被害2~4割 長崎県内の稚貝 今季生産に影響なし

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外套膜が縮んだ稚貝(左)と中身がなくなった稚貝を手にする阿比留筆頭理事=対馬市豊玉町

 真珠養殖用アコヤガイの稚貝の大量死問題で、生産量全国2位の本県の被害が総数の2~4割に上ることが11日までに分かった。県内最大産地の対馬では8割を失った業者もおり、警戒を続けている。一方、県本土では「収束した」との見方も。ともに今季の真珠生産に影響はないとしている。
 対馬真珠養殖漁協によると、全45組合員が被害を受け、多い業者は約8割、平均で約2割が死んだ。貝の中身がなくなったり真珠の形成に必要な外套(がいとう)膜と呼ばれる部位が縮んだりしたという。原因は調査中だが、海水温が高いままだと予断を許さないとみている。
 阿比留啓次筆頭理事(69)は「今年夏に仕入れた稚貝の多くがやられた。(生き残った貝の)2年後の玉出しができるかどうか」と気をもむ。日高肇組合長(64)は「被害を受けた組合員には稚貝を融通し合うなどして苦境を乗り越えたい」と話した。
 対馬以外の業者でつくる県真珠養殖漁協は22正組合員に調査。平戸市や佐世保市鹿町町などで大量死を確認した。被害が8割に上る業者もいたが、同じエリアで被害の少ない業者もおり、平均すると3~4割だった。半数以上を失った太平真珠(平戸市)の平賀道康社長(57)は「原因や被害額が分からず、稚貝の手持ちもなく不安だ」。佐世保市小佐々町で養殖する別の業者は8月に3割を失ったが、「死んだ稚貝を見なくなり、残った稚貝も大きくなり始めた」という。
 県真珠養殖漁協は「被害は愛媛や三重ほどではなく、落ち着いたようだ」と分析。今後希望する業者には種苗を提供する。12月の玉出し作業や来年の入札は計画通り行えるとみている。