プロ入り前 異例の4戦連発へ 横浜FCに来季加入、特別指定選手のMF松尾

特別指定選手としては異例の出場4試合連続ゴールを狙う横浜FC・MF松尾(右)。左は下平監督

 J2横浜FCに来季加入が内定し、特別指定選手として一足早くリーグデビューを果たしたMF松尾佑介(22)=仙台大4年、170センチ、65キロ=が9月15日の第32節・大宮アルディージャ戦(午後6時・ニッパツ三ツ沢球技場)で異例の出場4試合連続ゴールを狙う。まだプロ入り前にして、リーグ最多得点を誇る強力攻撃陣の一翼を担う現役大学生アタッカーは「点を取ればチームを助けられるし、それがプロの世界。結果を残さなければ試合に出られなくなるので、しっかり結果にこだわりたい」との意気込みで、13年ぶりのJ1昇格が懸かるリーグ終盤戦に臨む。

 埼玉県出身の松尾はJ1浦和レッズの育成組織から仙台大へ進んだ。ことし6月中旬に、大学のサッカー部に在籍しながらJリーグの公式戦に出場できる特別指定選手に認定され、同月29日の第20節・ファジアーノ岡山戦でJ2デビュー。快足を生かした緩急巧みなドリブルを武器に左MFのレギュラーポジションをつかむと、ここまで10試合に出場して4得点4アシストと一気にブレークした。「チームの中にうまく自分を組み込んでもらっている。守備の献身の部分もしっかり評価してもらっているので、そういうひた向きなプレーを続けたい」と手応えを口にする。

 1998年に強化指定選手の名称でスタートし、約20年間で延べ400人以上の高校、大学生が認定を受けている特別指定選手制度。過去にはJ2アビスパ福岡のFW松田力がびわこ成蹊スポーツ大時代の2013年、J1大分トリニータの特別指定選手としてリーグ戦9試合に出場して4得点を記録した例はあるが、松尾は前節9月7日のヴァンフォーレ甲府戦で決勝点を挙げるなど出場3試合連続ゴール中。Jリーグ関係者も「過去の特別指定選手の得点数のデータは取っていないが、(3試合連続ゴールは)聞いたことがない」と話すレアケースだ。

 チームは現在、13戦負けなしの快進撃を続けており、来季のJ1自動昇格圏の2位をキープ。15日の5位大宮戦を前に「最近ちょっと自分でも昇格争いを意識するようになった。上位対決は6ポイントゲームと言われるし、引き分けでももったいないという気持ちでやっている」と松尾。「早いうちからとてもいい経験をさせてもらっている分、言い訳もできない。責任を負って戦いたい」と、横浜FCの一員としての自覚ものぞかせていた。

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