『空前絶後の保護猫ライフ! 池崎の家編』サンシャイン池崎著 来世は猫で

 えっと……………だれ?このB21スペシャルの3人(古い)を足して3で割ったようなこの表紙の男は……ってサンシャイン池崎かい!!!可愛い猫たちに懐柔されすぎちゃってされすぎちゃってもはや原形をとどめていない感が否めない。

 最近、SNSなどで話題を呼んだ芸人・サンシャイン池崎と保護猫2匹の暮らし。本書はそんな池崎とひとつ屋根の下で暮らす2匹の猫、風神と雷神、通称風ちゃんと雷ちゃんとの出会いから現在までを紹介している。

子供の頃、兄と一緒に実家に来る野良猫と遊んでいた頃から、「いつか猫と一緒に暮らしたい」と夢を抱いていた池崎(実家は父が猫嫌いで実現不可能だった)。大人になり、いざ猫を迎え入れようとした時に、「買うか、もらうか、拾うか……」と悩んだが、猫をペットショップで買い取ることに抵抗があった池崎は、飼い主を探している猫の里親になることを決意する。

 猫を飼いたいと保護猫団体に伝えると、すぐに団体から猫たちの写真が届いた。それらを見、実際に対面して、家族として迎え入れる猫を決める、という流れだそう。

「おいおいおいおいなんだこれはーーーー!!!

 かわいすぎるじゃねーか!!!!」運命の出会いを果たしたが、しかしそこで終わりではなかった。先の出会いを凌ぐかもしれない、超絶かわいい子猫がいたのだ。

悩んだ末、仕事柄家を空けることが多いことも考え2匹を飼うことにした池崎。応募資格をクリアし、1ヶ月のトライアル期間をクリアし、晴れて1人と2匹で暮らすこととなる。

 猫飼い初心者ゆえの失敗(ex.ベランダから脱走)や、トイレ事情、ごはん事情、お留守番時も安心のグッズや黒いTシャツ取っても取っても猫の毛付いてる問題など、ノロケとしか思えない、日々の出来事が綴られている。本当に幸せそうで、嬉しそうで、いいなあ。また、保護猫団体にボランティアをしに行っている、そのレポートも掲載されている。

 「猫の本能のままに生きるところが好きだ。(略)僕は猫のように生きたい。怒ってる人すら笑顔にしてしまうような猫になりたい。見てたら悩んでるのを馬鹿らしくしてしまう力がある猫になりたい。老若男女笑顔にできる猫になりたい」……。豪傑な芸風とは裏腹に、実はけっこう繊細で、帰ったら猫の存在に救われることも多々あるようだ。

 生きとし生けるすべての猫が幸せでいられるよう、できることをできる範囲で続ける池崎。彼の優しさ、愛情に溢れた一冊だ。君は猫になりたいかもしれんが、私は君の妻になりたい。来世、猫で会おう!

(宝島社 1200円+税)=アリー・マントワネット

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