医療用大麻、半数超が肯定的 熊本大脳神経内科医を調査 「タブー視せず、研究議論を」

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 熊本大医学部の脳神経内科に在籍経験のある医師や研究者の半数以上が、医療用大麻の利用について肯定的に捉えていることが、同大の研究チームのアンケートで分かった。調査に当たった正高佑志医師(熊本市中央区)は「海外では医療用として使われており、国内でもタブー視せずに議論してほしい」と話している。

 正高医師によると、大麻には炎症を抑える効果や、神経の過剰な興奮を抑える作用があり、欧米では1990年代から鎮痛剤として使われるほか、アルツハイマー型認知症や難治性てんかんなどの治療薬として使用や研究が進んでいる。一方、日本国内では大麻取締法の対象で、研究目的でも実質的に利用を禁止されているという。

 アンケートの対象は医師や研究者ら200人で、56%に当たる112人が回答。正高医師から医療用大麻について詳しい説明を受けて回答した人と、説明を受けなかった人に分けて解析した。

 研究目的での使用について「許可すべき」としたのは、説明を受けた31人のうち26人(84%)。説明を受けていない81人の中でも、64%に当たる52人が「許可すべき」と回答した。

 実際の使用についても、「許可すべき」と「代替手段がない場合に許可すべき」の合計が半数を超え、医療用大麻の使用を肯定的に捉えている傾向が分かった。

 正高医師は今年3月まで同神経内科に在籍。医師の傍ら、海外の事例などを報告する一般社団法人を立ち上げており、「海外では治療法がない病気の患者らに使われている。麻薬だからと思考停止せず、効用を研究すべきだ」としている。論文は今年7月、国内の医学誌に掲載された。(林田賢一郎)

(2019年9月13日付 熊本日日新聞朝刊掲載)