ロシアと日本の今は、どうやってできたのか【写真特集】  江戸期の初接触から、戦争、現在の交流までをたどる展示 東京・日比谷

東京で開催している写真展初日、第1章「出会い」の展示物と鑑賞する入場者の様子=14日

 日本とロシア両国の歴史をたどる写真展「日露関係 写真でみる歴史」が東京・有楽町の東京ミッドタウン日比谷で始まった。まだ日本が鎖国していた江戸時代、初めて接触した「出会い」から、日露戦争、第2次大戦といった「対立・協調・戦争」の時期を経て、現代まで交流を続ける様子をたどることができる。2つの国の長い歴史のさまざまな光景が、現代の平和的な関係を築いた先人たちの努力と、今我々が立っている場所の意味を教えてくれそうだ。

 展示は大きく三つに分かれる。第1章は鎖国時代の日本とモスクワ公国時代のロシアの初接触から国交樹立までを取り上げた「出会い」。そして20世紀の対立や協調、戦争の時代の日ロ関係の変遷を紹介する「対立・協調・戦争」が第2章となる。第3章は日本の戦後復興から現在に至る国民間の交流の軌跡を取り上げた「交流の発展」。展示総数は約80点に上る。

 14日のオープニングセレモニーでは、写真展監修者の一人東京大学史料編纂所所長の保谷徹氏が、用意した資料を手に、ギャラリーを移動しながら説明を行った。

ここでは第3章から実際に展示されている3点を紹介する。第二次大戦後、日本とソ連が国交を回復したモスクワでの日ソ共同宣言署名の場面は、1956年の撮影。当時の鳩山一郎首相とニコライ・ブルガーニン首相、そしてその周囲に立つ人々の表情までが分かる。

日ソ共同宣言署名時の写真(共同通信所蔵)

 世界初の有人宇宙飛行を達成した後、1962年に初来日したガガーリン宇宙飛行士の写真は、当時、日本国内で出迎えた人々の熱気までを伝える。

ガガーリン宇宙飛行士来日時の写真(共同通信所蔵)
東京五輪で行進するソ連選手団(共同通信社所蔵)

 1964年、アジア初の開催となった東京五輪開会式でのソ連の女性選手団。手に持って振っているのはネッカチーフ。この開会式には93カ国から5千人以上が参加したという。写真展は23日まで。(構成、共同通信=川崎経大)

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