AIで下水道水位予測 新日本コンサル

■コスト3割に減

 新日本コンサルタント(富山市吉作、市森友明社長)は、AI(人工知能)を使った下水道の水位予測技術を開発した。精度は従来と同等以上で、コストは3割に低減。都市型の浸水対策として国内の自治体向けに販売し、さらに東南アジアでの普及を目指す。

 同社は富山市内で降雨や水位の観測データの蓄積や、予測技術の開発を行ってきたが、導入には多額の初期コストや保守管理費が必要だった。コスト削減が課題で、従来の解析ソフトなどを使わずに予測できる技術を目指し、神戸大と共同研究で開発を進めてきた。

 新しい技術は2年間分の降雨や水位の観測データをAIで学習させて局地的な水位を予測。従来のように現地での水路や地形の測量などは必要なく、水位計の設置だけで予測できるようにした。

 国内100カ所以上で導入し、売り上げは3億円を目指す。東南アジアはゲリラ豪雨による洪水が社会問題となっているが、水路の正確なデータがないため、この技術が活用できるとみている。インドネシアの子会社が導入を目指す。

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