最高裁が差し戻し

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 前々からよく分からずにいたことのわけが、今やっと分かった。そういう時に「ああ、どうりで」と人は言う。物事の筋道を表す「道理」からきている▲ものの道理が示されるかどうか注目されたが、答えは「先送り」らしい。諫早湾干拓事業を巡り、国が潮受け堤防の開門を強制しないよう求めた訴訟の上告審判決で、最高裁は福岡高裁に審理を差し戻した▲過去の裁判で、漁業者が求めた「開門せよ」、営農者が求めた「開門せず」、二つの相反する判断がどちらも確定している。福岡高裁は国の言い分を認め、「開門せよ」という判断を無効としたが、最高裁はそれを破棄した。審理はやり直し、仕切り直しになる▲もし最高裁判決でも国の言い分が通り、勝訴していたら、法廷闘争は「開門せず」で決着していたが、そうならなかった。司法判断はねじれたまま、争いはさらに長期化する▲最高裁は6月、開門をめぐる別の二つの訴訟で「開門せず」の判決を確定させている。きのうの判決では踏み込まなかったが、この先、どう筋道を立てるのか▲誰もが「どうりで」と納得できる所に着地するのは難しい。そうと分かっていて、どうにか筋道が見えてこないかと願う。この混乱と対立を引き起こし、長引かせる国が懐手のままでどうする、と思いをまた強くする。(徹)