実際に避難1%未満 長崎県内 大雨特別警報「指示」「勧告」地域

 定例長崎県議会は13日、一般質問が始まり、4人が登壇。7、8月の豪雨で県内に「大雨特別警報」が2回発表される中、避難勧告や避難指示を出した延べ12自治体の住民のうち、避難した人の割合は1%未満だったことが明らかになった。
 前田哲也議員(自民)の質問に荒木秀危機管理監が答えた。
 警戒レベル4の避難勧告、避難指示が出たのは、7月20日は対馬市、五島市など6市町で、対象は9万963人。このうち、実際に避難したのは466人で、避難率は0.5%だった。8月28日は松浦市、東彼波佐見町など6市町。対象33万2229人のうち避難者は416人で、避難率は0.1%にとどまった。荒木危機管理監は「自治体が出す避難情報が、避難行動につながっていない」と話した。
 前田議員は、避難に支援が必要な高齢者や障害者ら災害弱者を地域で把握する「避難行動要支援者名簿」について、自治体から自治会や消防団などへの事前の情報提供が進んでいないと指摘。4月1日現在、県内の登録名簿人数7万6548人のうち、約54%の4万1499人の情報提供の可否が確認できていないという。
 中田勝己福祉保健部長は「郵送などによる確認作業が主で、返信がない場合が多い。マンパワーの問題などもあり、明確な意思確認ができていない」と説明。「各市町に対し、独居老人や重度の障害者世帯など優先すべき世帯から同意を促していく」と述べた。

© 株式会社長崎新聞社