WRC:トヨタ、トルコ2日目はベストタイム刻むも総合順位で苦戦。マキネン「簡単な1日ではなかった」

 9月13日に行なわれた2019年WRC世界ラリー選手権第11戦トルコの競技2日目。2018年のラリー・トルコ覇者であるTOYOTA GAZOO Racing WRT陣営は、この日行われた6SSのうち3SSでトップタイムを刻んだものの、総合順位では苦戦を強いられ、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)の総合7番手が最上位となった。

 シリーズでもっとも過酷なコンディションで争われるラリー・トルコ、競技2日目はサービスパークが置かれるマルマリス周辺や北東エリアを中心にSS2〜7までの6SSが行われた。6SS合計距離は159.14kmと今大会最長距離で争う1日となっている。

 ポイントリーダーとして今大会に挑み、この日は先頭走者として路面の“清掃役”を強いられたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)は、不利な状況のなか粘りの走りでSS5終了時点で首位と25.3秒差の総合5番手につけていた。

 しかし、続くSS6走行中に右フロントタイヤがリムから外れるアクシデントがあり、1分以上のタイムを失ってしまい、首位と1分37秒4差の総合8番手まで後退した。

ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)

 チームメイトのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は、SS2でトップタイムを刻んで総合首位へ。続くSS3では遅れを取り、総合5番手まで後退したが、SS4では反撃し総合3番手までポジションを押し上げる。

 サービスを挟んで迎えた午後のSS5では右フロントタイヤにトラブルが出てしまい総合8番手まで後退すると、続くSS6は激しい雨が降った影響で摩耗したタイヤからグリップを引き出せず、さらにポジションをひとつ落として総合8番手となった。

 残るミークはSS5でトップタイムを記録してパフォーマンスを発揮。雨が降ったSS6ではタイムを失ったものの、トヨタ勢最上位の総合7番手で走行を終えている。

■パンクに見舞われたタナク「このラリーでパンクはくじ引きのようなもの。今日はついていなかった」

「簡単な1日ではなかった。オット(タナク)は出走順が1番だったから苦戦を予想していたが、朝はすべてがうまく進んだ。しかし、午後のステージでの不運なパンクにより、厳しい状況になってしまった」とチーム代表のトミ・マキネン。

「クリス(ミーク)とヤリ-マティ(ラトバラ)もまた、同じステージで大きくタイムを失った。午後は雨が降ると分かっていたが、そのステージでは予想よりも激しい降雨があったんだ」

「昨年、そして今日の展開を見れば分かるように、このラリーではいかなることも起り得るから、さらなる問題の発生を回避しながら、戦い続ける必要がある」

 トヨタ勢トップにつけたミークは「このラリーでの経験がないことを考えれば悪くなかったと思う」と走行をふり返った。

「午後の2本目のステージ(SS6)では雨に見舞われ、本当に難しいコンディションだった。雨はさらに酷くなるだろうと2本のミディアムタイヤを最後のステージに温存していたが、最初のステージでハードタイヤの摩耗がかなり進み、降雨があった2本目のステージはまるで氷の上を走っているようだったよ」

総合8番手につけたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)

 総合8番手につけたタナクは「このラリーでパンクはくじ引きのようなものだから、今日はついていなかったのだと思う」とコメント。

ヤリ-マティ・ラトバラはマシンリヤにダメージを負いながらの走行となった

 ラトバラは「SS5ではリヤのバンパーを失い、その結果車内が非常にうるさくなり、ペースノートに集中するのが難しい状況だった。そして、右コーナーでインに深く切り込んだ時にタイヤを傷つけ、空気が抜けた状態で最後まで走らなくてはならなかった」と苦戦の状況を明かしている。

 競技3日目となる14(土)はSS8〜13の全6SSで争われる。このうちSS10/13の“キツラン”は今大会で初めて使われる新ステージだ。6SSの合計距離は110.10km、リエゾン(移動区間)を含む総走行距離は344.06kmとなっている。

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