ちょっと不思議な並び方 富山地鉄全駅探訪4【50代から始めた鉄道趣味】95

※2019年7月撮影

不二越・上滝線3番線ホームに上る階段の対面に地下道の階段があります。

※2019年7月撮影

本線・立山線の下りは2番線ホームです。上りは1番ホーム。地下道の案内。

※2019年7月撮影

これが2番ホームの地下道口。線路の奥は電鉄富山駅方面です。

※2019年7月撮影

ホームに上がって宇奈月温泉行・立山方面を見ています。相対式ホームの1番線が電鉄富山方面の上り。

※2019年7月撮影

つまり、駅舎のある南側から

3番ホーム 不二越・上滝線 上り・下り
1番ホーム 本線・立山線 上り
2番ホーム 本線・立山線 下り

・・・という並び方で、真ん中が1番ホームというちょっと不思議な並び方になっています。

電鉄富山駅方面を向くと1番ホームの地下道口が見えます。ホーム上屋が古い木造で味があります。

※2019年7月撮影

木造上屋には、木製のベンチもあって良いですねぇ。

※2019年7月撮影

ふだん首都圏で生活していてはなかなか眼にする機会の無い味わい深い木造駅舎を富山地方鉄道では堪能できます。正直言えば、この雰囲気にひたってもう少しノンビリしたかったのですが、今日の予定は全20駅、一駅に15分でも300分=5時間になってしまいます。レンタカーでの移動時間を考えると日没前の18時まで時間的余裕はあまりないのです。ふ〜っ。

下り方面。実際に使用されているよりも長いホームです。稲荷町駅の北側、写真の左側には、13.2ヘクタールという広大な稲荷公園の緑が接しています。しばしば広さの比喩で使われる東京ドームで言えば約3つ分になります。

噂ですが、週末は”ポケモンGO”のゲーマーたちが大勢公園に集まるのだとか。時々、不思議な場所でスマホをかざしている老若男女の集団を見かけて驚きます。”ポケモンGO”なんですね。まぁ、我々鉄道ファンも辺鄙な場所に突然集まったりしますからよそ様のコトはいえませんね。

上りホームの向こうに稲荷町テクニカルセンターもよく見えます。

※2019年7月撮影

1番線ホーム駅名標。

※2019年7月撮影

稲荷町駅の歴史です。1914年(大正3年)富山軽便鉄道の駅として開業。軌間は1067mm、蒸気機関車で運行されていました。翌1915年(大正4年)会社が富山鉄道に改称。1931年(昭和6年)富山電気鉄道の乗り入れにより電化。富南鉄道への譲渡を経て1943年には戦時下の合併で富山県内の鉄道会社が富山地方鉄道にまとめられ、現在に至っています。駅舎は1945年(昭和20年)の富山大空襲で焼失。1946年(昭和21年)に再建されたものです。

2番ホームから1番ホーム、その向こうの3番ホームとの間に稲荷町テクニカルセンター・車両基地への線路があります。右には商業施設アピアも見えます。富山地方鉄道16010形電車は別のコラムに書きましたが洗車機から出てきたばかりなのでキレイです。

※2019年7月撮影

2018年2月に稲荷町テクニカルセンターに駐まっていた富山地方鉄道デキ12020形電気機関車です。1958年(昭和33年)に黒部川第四発電所(クロヨン)建設に際し資材運搬用に東芝で1両だけ製造されました。元は関西電力との共同所有でしたがダム完成後に地鉄の所有になったものです。富山地方鉄道の他の車両にないカラーリングなので目立ちます。あまり使われることはない様ですが、キレイに塗装されていました。

※2018年2月撮影

さて、魅力的な木造駅舎との出会いを楽しみに、地鉄本線を進んでゆくことにしましょう。

(写真・記事/住田至朗)

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