メクル第397号 被爆体験 紙芝居で伝わりやすく 平戸市立根獅子小

大田さんの被爆体験を題材にして作った紙芝居で読み聞かせをする児童=平戸市根獅子町、市立根獅子小

 「平和について連想することは?」「原爆(げんばく)とか放射線(ほうしゃせん)とか、言葉は知っているけど何なんだろう」-。平戸市立根獅子(ねしこ)小(喜多浩(きたひろし)校長)の5、6年生14人は今夏、平和や原子爆弾(ばくだん)に関するワードについて調べました。
 毎年、8月9日の長崎原爆の日に開く平和集会では、5、6年生が学習したことを全校に向けて発表しています。今回は▽放射線▽千羽鶴(せんばづる)▽ハト▽平和祈念像(きねんぞう)▽青空教室▽被爆(ひばく)体験-の六つの言葉について、班(はん)ごとに調べました。
 平和や戦争に関する本や新聞、インターネットを活用。「平和祈念像は見たことあったけど、右手や左手の意味を初めて知った」「原爆はゴルフボールくらいの大きさ(プルトニウム)で、火薬を使った爆弾2万1千トン分の破壊(はかい)力があってびっくり」。分かったことを模造紙(もぞうし)にまとめたり、劇(げき)にしたりしました。
 6年の川上玲奈(かわかみれいな)さん(12)と5年の久保愛実(くぼあいみ)さん(11)の2人は、被爆体験を担当(たんとう)。長崎新聞メクル平和特集号「ピースをあつめて」に載(の)っていた被爆者の大田(おおた)スズ子(こ)さん(89)の体験談を読み、下級生にも伝わりやすいよう紙芝居(しばい)にすることにしました。
 長崎の街が一面火の海だったこと、戦争が終わっても原爆症(しょう)に苦しめられたことなど、驚(おどろ)いたことを絵で表現(ひょうげん)。これまでの74年間、当時を思い出すのがつらく、大田さんが一度も平和公園に行っていないことも紹介(しょうかい)しました。
 紙芝居を見た3年の松口優士(まつぐちゆうじ)君(9)は「原爆で何万人もの人が亡(な)くなってかわいそう。戦争は怖(こわ)いから、みんなに優(やさ)しくしたい」と話しました。川上さんと久保さんも「平和に生きていくためには、けんかや争いをなくしていく」「友達をたくさんつくる」と、平和を実現するためにできることを考えていました。

原子爆弾についてまとめた資料

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