北村地方創生相「誰かが犠牲に」 反対地権者反発 石木ダム問題 

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業について、北村誠吾地方創生担当相は14日、渇水対策のためにダムは必要とする考えを示し「みんなが困らないように生活するためには、誰かが犠牲、協力して役に立つことで世の中は成り立っている」と述べ、反対する地権者に理解を求めた。
 同日に市役所で開いた記者会見で述べた。北村氏は、ダム事業は土地収用法に基づき適正に進めていると強調した上で「(地権者が)納得できるまで議論するべきだ」との認識を示した。
 石木ダムを巡っては、県収用委員会が反対地権者に土地明け渡しを命じる裁決を出し、11月18日までに立ち退かなければ、県と佐世保市は知事に行政代執行を請求できる。
 反対地権者の炭谷猛川棚町議は「宅地が奪われようとしている全国的にもまれな状況を認識しているのだろうか。地元選出国会議員が一部の地域のために犠牲を強いるとはあきれて物も言えない」と反発した。

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