きょう号砲

 違う日の違うコンディションで違うコースの42.195キロを違うメンバーと走って、好成績を収めた選手が複数。さて、強いのは誰…難問には違いない。五輪のたびに注目を集め、しばしば騒動を引き起こしてきたマラソンの選手選考▲そんなに比較が難しいのなら、同じレースに皆を集めて一発勝負で決めれば-「シンプル・イズ・ベスト」である。東京五輪の出場権を懸けた「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)がきょう東京で開催される▲男子30人、女子10人の決戦。本県からも昨年のアジア大会王者、井上大仁選手(MHPS)ら男子3人と女子の野上恵子選手(十八銀行)が出場する▲このレースで決まるのは、3枚ある五輪切符のうち2枚。最終盤の勝負どころで2度の急な坂道が待ち受ける難コースと聞く。夏の暑さが残る中、繰り広げられるのはタイムよりも着順が優先の戦いだ▲「ペースメーカーもいないし、どの選手も序盤は相手の出方をうかがうだろうから、きっとスローペースになるはず」と本紙運動部の陸上競技担当記者。ならば持ちタイムが見劣りする選手にもチャンスは▲長崎から東京を、そして世界を目指してきたランナーの大一番に声援を送る2時間余。朝寝坊禁物の日曜日、ゴールに待つのはどんな結末だろう。(智)

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