小田原系担々麺「四川」は唯一無二の麺料理【実食ルポ】

カップラーメンになるほど評判の小田原系担々麺の店「四川」に行ってきました。スープにとろみがあるとか、鍋持参で持ち帰りが可能とか、パンチのある情報にずっと気になっていたお店です。開店してから40年以上、以前は中華全般を作っていたのを担々麺専門店にしたという自慢の麺はいかに?

のどかなエリアに突如出現した賑わいスポット

こちらのお店「四川」は、神奈川県小田原市の中でも山側にあります。周囲には山並みが見え、山梨あたりに来た雰囲気です。

お店は11時にオープンします。11時50分くらいに到着したときは、既に外に並ぶ人、駐車場には多くの車が停まっていました。このあたりは車のナンバーが湘南ナンバーになるのですが、横浜ナンバーの車も多く見かけました。こんなにのどかなところにこんなに人が集まっているだなんて。

先に並んでいるお客さんに、お店のエントランスで名前を書くルールを教わり、ドアを開けると、そこにも並んでいる人がずらり。名前を書いたのは、39組目でした。

お店の前には、担々麺というより、醤油ラーメンのようないい香りが漂っています。

お店の中へ

名前を呼ばれて席に着いたのは、12時30分過ぎ。

お店の壁には、記事になった雑誌の切り抜きがいっぱい貼ってあります。

窓には懐かしのおみくじが。子供の頃、ラーメン屋さんでよく見かけましたよね。

壁には、「特製タンタン麺 四川麺」のメニュー。そこには、「A 甘口」「B 一般向き」「C 辛口」「スペシャルC 特別辛口」があります。店員さんが、「辛いのが好きな方でしたら、スペシャルCがおすすめです。そこまで特別辛くないので」ということで、「スペシャルC 特別辛口」をチョイスしました。ちなみにこの時点で既に、人気のチャーシュー(3枚300円)は売り切れ。

実食

なんとオーダーから5分くらいで、運ばれてきました。黄色い玉子麺が、スープからこんもり出ています。ネットで見てはいましたが、本当にスープがあんかけ状態で出てきて改めてびっくりです。

さっそく食べてみると、これ、本当に、担々麺ではない、まったくの別モノです。たまに豆板醤がふっと香る瞬間がありますが、にんにく醤油風味のあんかけそばといった感じ。刻まれたザーサイが入っているようですが、ザーサイ感はありません。

辛味は、確かに一般的なレベルの辛いもの好きが、ストレスなく食べられる辛さです。お店で挽いているという豚ひき肉とネギが、よく麺に絡むこと!

奥が「A 甘口」なのですが、唐辛子の量の違いは見えても、ベースの色味の違いはなかったです。「A 甘口」は辛みがなく、一般的な担々麺の概念からさらに離れた麺料理でした。

片栗粉でとろみのついたスープの保温効果で、スープは冷めないですし、甘口でも辛口でも、全身がぽかぽか温まりました。酢を入れて、辛みを抑えたり、風味を変えたりして楽しむ常連さんが多いようです。

担々麺が食べたいと思って食べると、正直がっかりする人もいると思います。だって、ゴマ感も無くて、全く担々麺ではないのです。新たな麺料理を食べにきた、もしくは、にんにく醤油風味のあんかけそばを食べにきたと思うと、美味しくいただけて、ライスを注文して余ったスープも平らげるでしょう。

四川

所在地:神奈川県小田原市上曽我173−1

電話:0465-42-5451

営業時間:11:00~17:00

[All photos by Shio Narumi]

© 株式会社オンエア